■遺産相続がきっかけで兄弟仲に亀裂
まずは、「遺産相続」がテーマのエピソード。分配をめぐって、大問題になったのだとか。
「父が亡くなったあと、相続をめぐり兄弟間で大きな揉め事が起こりました。父は遺言書を遺したのですが、よくわからない内容で、財産の分け前について兄弟の意見がまとまりませんでした。特に、土地や預金の分配をめぐっては、それぞれが自分の主張を譲らず、何度も家族会議を重ねる始末でした。
その日も、兄弟が集まり話し合っていると、長兄が突然こんなことを言い出したのです。『父が生前、この土地は私に譲ると約束していたんだ』と。しかしそれを裏付ける決定的な証拠はどこにもなく、他の兄弟たちはみんな『そんな大事なことなら、何で今までそれを黙っていたんだ』と、強い不信感を持ちました。もちろん、長兄も食い下がり、どんどん穏やかでなくなっていきました。
身内で話し合っても埒が明かないので、第三者である弁護士に入ってもらうことに。弁護士は遺言書の内容を法的に解釈し、公平な分配案を示してくれましたが、それでも感情的な対立は収まらず、話はまとまらないまま。結局、一部の兄弟は『家族と縁を切る』という決断をするに至ったのです。
最終的に、遺産の分配についてはなんとか決着がついたものの、代わりに家族の絆が壊れてしまった。相続問題が、家族の仲をこんな風にしてしまうものだったとは夢にも思いませんでした」(40代・女性)
きっとお父様は、子どもたちが争わないように遺言書を遺したはず。それでもこんな風に揉めてしまうことがあるんですね。自分の時もこうなってしまうかもしれない……と考えると、ゾッとします。
■知らぬ間に消えていた子どものための貯金。その行方は?
続いては、子どもの教育資金をめぐる夫婦間の金銭トラブルです。なぜか5万円ずつ引き落とされていて……。
「私たち夫婦は共働きです。中学生、高校生の子どもたちは、大学進学を目指して一生懸命勉強をしています。子どもたちが好きな道を進めるようにと、以前から教育費をしっかりと貯めてきたのですが、この教育費のことで夫と大げんかをしました。
ある日、教育費を貯めている口座を確認すると、数か月にわたって5万円ずつ引き出されていました。仕事が忙しく、久しぶりに確認したので、絶対に私ではありません。おかしいと思い、夫に聞いてみると、夫の顔色が変わり、明らかに動揺していました。夫は、昔から隠しごとが下手なんですよね。
犯人を確信した私は、さらに問い詰めました。すると、『ごめん、母さんからお小遣いが必要だと泣かれて……』とのこと。あとからわかったのですが、義母は義父とけんかをしていて、自由にお金を使うことができず、夫に泣きついたようです。
子どものために一生懸命働いて貯めてきた教育費を、夫が勝手に引き出していたこと、そしてその理由が義母にお小遣いをあげるためだと知り、かなりショックを受けました。普段あまり夫婦げんかをしない私たちですが、どうしても許すことができず、約1か月間、夫と口を聞かずに過ごしました。
夫はようやく事の重大さがわかったようで、義父に事情を説明して、義母に渡したお金を全額返してもらい私に謝罪をしてきました。
義母は孫の教育費だと知っていたようなので義母からも謝罪をしてほしかったのですが、私を嫌っている義母は絶対に謝らないだろうと思い諦めました」(40代・女性)
自分の口座から出すならまだしも、子どものためのお金に手を付けるのはいただけない。いずれにせよ、せめて相談してほしかったでしょうね。トラブルの原因となった張本人から謝罪がないのも腹が立つ……!
(文・イラスト:ママテナ編集部)