100年もの時を超えて現存する西洋建築。それを目の当たりにすれば、思わず「ここは令和の日本なのか」とつぶやいてしまいそうな圧倒的存在感。世紀をまたぐ歴史的建築物を訪ねて東京巡りはいかがでしょうか。
(1)首脳会談も行われる豪華絢爛(けんらん)な国宝
明治時代の技術が集結した美しい西洋建築「迎賓館」(港区元赤坂)は1909(明治42)年建設。皇室財産の赤坂離宮として建設され、戦後は政府に移管されました。
国会図書館などとして使用されたのち1974(昭和49)年に迎賓館となり、2024年で開館50周年。2009(平成21)年、東京23区内では唯一の国宝に指定されました。
本館・庭園・和風別館が見学可能。和風別館のみガイドツアー付きで事前予約が必要で、小学生以下は参観できないので注意してください。
外国の賓客の接遇や首脳会談の場として使用されている広間も見られます。シャンデリアや絵画などの調度品で飾られた、日本とは思えないきらびやかな世界に圧倒されることでしょう。
前庭では、迎賓館を眺めながらアフタヌーンティーやキッチンカーのグルメを楽しむこともできます。
(2)異国と見まがう、ノスタルジックな大豪邸
1896(明治29)年完工の「旧岩崎邸庭園」(台東区池之端)は、三菱財閥の創始者・岩崎弥太郎の長男で三菱第3代社長の久彌の本邸として造られました。
洋館・和館・撞球室からなる豪邸で、 和と洋の建築が見事に融合しています。戦後は国有財産となり、現在は国の重要文化財の一つです。
洋館は内装に17世紀の英国ジャコビアン様式を基調としつつ、英ルネサンス様式やイスラム風のモチーフが取り入れられています。シルクのペルシャ刺繍が施された客室の天井装飾、各室に置かれた暖炉のしつらえ、重厚感のある玄関ホールは圧巻です。
撞球室(どうきゅうしつ、ビリヤード室)は洋館の別棟として少し離れた場所に建っており、地下通路で洋館とつながっています。
当時の日本では非常に珍しかった、スイスの山小屋風の造りが特徴。月に一度の「地下・撞球室ガイド」の日は、普段は非公開の地下通路や撞球室内を観覧できます。
和館は当時の名棟梁(とうりょう)・大河喜十郎によって造られたといわれ、書院造を基調としています。床の間やふすまには、明治を代表する日本画家・橋本雅邦が下絵を描いたとされる障壁画も。和館の中にはお茶席があり、抹茶とお菓子のセット(510円)をいただけます。
ビール
配信: LASISA