でも、今は間の子がいるわけでなく、二人だけのきょうだいでも7~8歳くらい年の差があるケースはたくさんある。その背景について、教育カウンセラーの庭田真理子さんに聞いた。
「年の差きょうだいは今、本当に多いですね。理由として多いのは、離婚・再婚により、新しいお父さんの子ができることで、年の差きょうだいになるケース。また、育児が楽になってきて『そろそろもう一人ほしい』と思い始めてから、次の子ができたタイミングが、何年もの差になったというのも、よく聞きます」(庭田さん 以下同)
では、年の差きょうだいの良いところって、どんなところ?
「良い点は、年が離れているから、一人ずつ丁寧に育てられることですね。子どもと親が一対一で向き合えるという意味では一人っ子のようです。でも、二人目だから、一人目のときとはやっぱり違っていて、親としては『ちょっと育児に慣れた一人っ子』の感覚で育てられるんですよ」
二人目の子育てになると、親のほうに余裕ができるため、育児に関する許容範囲が広くなる。また、母親が成熟し、精神的に安定していることから、子どもに声を荒げて怒るようなことが減るという。
そう思うと、「一人目のときの丁寧さ」と「二人目の慣れ・寛容さ」が、年の差きょうだいでは可能になりそう。
●親にとっては楽だが、上の子に甘えすぎないこと
ちなみに、年の差があることで親が楽だと感じるのは、5歳以上離れている場合だとか。
「年の差が2~3歳だと、年が近いからこそ競争もあるし、子どもにとって良いこともたくさんあります。でも、子ども自身が3歳くらいの場合は、まず『自分が、自分が』ですからね。5歳くらい離れていると、子どももしっかりしてきて、下の子の面倒を見ようという意識が芽生えてくると言われています」
また、年が離れているとケンカが少ないため、親としては楽であること。さらに、上の子は下の子の面倒を見ることで、気配りのできる優しい子になったり、家のことがいろいろできるスキルが身につき、将来役に立つこともありそう。
「ただ、上の子が一生懸命やりすぎていると、気の毒な面もありますよ。子どもは親の喜ぶことをやってしまうもの。上の子が喜んでやってくれるからといって、上の子に任せすぎになると、負担をかけてしまいます」
年の差きょうだいは、親にとって楽な面がたくさんある。でも、親は上の子の優しさや責任感に甘えすぎず、特に上の子を褒めてあげることを忘れないようにしたいものだ。
(田幸和歌子+ノオト)