災害対策に必要な情報や未来の災害リスクがわかる防災クロスビューとは?


写真:PIXTA

日本では毎年のように災害が発生しており、大きな被害をもたらしています。

災害発生後しばらくは、「建物の被害がどのぐらい出ているのか」「どの道が通行できるのか」など、被災地の知りたい情報を得ることは簡単ではありません。

また、自身や大切な人に直接的な被害がなければ、過去の災害に関する記憶は薄れていき、次に似た状況になっても、どうすれば適切に備えられるのか、わからないかもしれません。

「防災クロスビュー」は、これらの問題や課題を解決できる防災システムです。

災害の発生から進行、復旧までの状況や過去の記録まで、さまざまな災害情報を集約しています。

また、過去の災害状況をもとに、「どのような被害が起こりうるのか」「今のうちにどのような対策ができるのか」など未来の災害リスクを知って、防災に役立てることもできます。

この記事では、防災クロスビューの仕組みや目的、対応している災害、活用方法などについて紹介します。

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 防災クロスビューとは


引用:国立研究開発法人防災科学技術研究所「防災クロスビュー」

「防災クロスビュー」は、災害の発生状況から進行、復旧、過去の記録などの災害情報を重ね合わせて見ることができ、災害の先を見通すことのできるシステムです。国立研究開発法人防災科学技術研究所(防災科研)が開設・公開しています。

平常時は過去の災害の記録や現在の観測状況を表示し、災害時は発生や進行、復旧に関する状況や、関連する過去の災害、二次災害の発生リスクなども加えて表示します。

また、それ以外にも、雪害や風水害に備えるための情報など、防災に役立つ情報発信も行っています。

防災クロスビューの目的

防災クロスビューは災害発生から復旧まで、災害の過去・現在の情報を集約することで、防災にフル活用してもらうことを目的に公開しています。

防災クロスビューは誰でも閲覧ができるシステムで、アーカイブから過去の災害を選択すると、災害が発生した当時の状況やインフラ、ライフラインの被害なども確認できます。

そのため、「あのときの災害はどんな状況だったのか」「今度来る台風は過去に大きな被害を出した台風とルートが似ているけど、どれくらいの被害が出る可能性があるのか」などを調べたいときにも便利です。

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