災害対策に必要な情報や未来の災害リスクがわかる防災クロスビューとは?

防災クロスビューが対応している災害

防災クロスビューは地震、火山、風水害など、さまざまな災害に対応しています。ここでは、以下の災害を例に具体的な見方や活用方法を紹介します。

・令和6年(2024年)能登半島地震

・令和5年(2023年)梅雨前線による大雨及び台風第2号

・令和3年(2021年)阿蘇山の火山活動

2024年能登半島地震

防災クロスビューでは、2024年能登半島地震のインフラや生活支援箇所、被害状況、液状化の発生確率などの情報が公開されています。

出典:防災クロスビュー「令和6年能登半島地震|生活支援箇所」

上の画像は生活支援箇所を表示しています。水道のマークが給水所、青色のラインは車両通行道路です。給水所の場所や給水所までのルートが把握できるため、被災地の人や、現地でボランティアをする人にも役立ちます。


出典:防災クロスビュー「令和6年能登半島地震|NPO等の活動状況・JVOAD」

上の画像は被災者支援を行っているNPO等の活動状況を表したものです。避難所支援や子ども、食と栄養、ペットなどの分野別に、各地域にどれくらいのボランティア団体が入っているかが分かります。


出典:防災クロスビュー「令和6年能登半島地震|住家被害状況(新潟県・富山県・石川県)」

上の画像は家屋の被害状況を表示しており、半壊や一部破損に切り替えることもできます。地震による家屋の被害が大きかったエリアがわかります。


出典:防災クロスビュー「令和6年能登半島地震|液状化発生確率推定」

上の画像は観測データを活用したリアルタイム被害推定システムを使用し、地震によって液状化が発生している確率を表示しています。例えば、紫色のエリアだと50%~100%の高い確率で液状化が発生していることがわかります。

他にも走行動画や航空機画像など、様々な情報が公開されており、目的に応じた情報収集が可能です。

2023年梅雨前線による大雨と台風第2号

防災クロスビューのアーカイブから、2023年梅雨前線による大雨と台風第2号について紹介します。


出典:防災クロスビュー「令和5年梅雨前線による大雨及び台風第2号|雨量のまれさ」

上の画像は「大雨のまれさ」情報で、降水量が平均してどれくらいの期間に一度起こるかを表しています。例えば、紫のエリアでは100年以上に1回の大雨であり、記録的な大雨だったことがわかります。


出典:防災クロスビュー「令和5年梅雨前線による大雨及び台風第2号|浸水域推定結果」

上の画像は、四国、近畿、東海地方における浸水について公開されているデータを使って、各地域の浸水深を地図に掲載したものです。災害発生時にどれくらいの浸水被害が発生しているかがわかるため、「近づくと危ない」「この道路は通れない」などの判断が可能です。また、将来同じような気象災害が発生したときに、どのエリアが浸水しやすいかもわかります。

2021年阿蘇山の火山活動

防災クロスビューのアーカイブから、2021年阿蘇山の火山活動について紹介します。


出典:防災クロスビュー「令和3年 阿蘇山の火山活動|阿蘇山噴火降灰量」

上の画像は2021年10月20日に発生した阿蘇山噴火による降灰の厚さです。火山灰が流れていった方向と火山灰が積もった範囲が示されていますが、これにより火山灰の積もり具合によって自動車走行への影響や視界不良の状況などを把握できます。


出典:防災クロスビュー「令和3年 阿蘇山の火山活動|阿蘇山火山防災マップ

上の画像は阿蘇山火山防災マップです。阿蘇山の過去の火山活動から、今後も起こりやすいと予想される噴火現象をレベルに応じて表示できます。

防災クロスビューを通して過去の1つ1つの災害に目を向けることで、今後災害が発生したときの被害を想定できるほか、二次災害のリスク予測にも役立ちます。それによって、どんな対策が必要か検討することができます。

防災力を高めるためにも、防災クロスビューを活用してみてはいかがでしょう。

〈執筆者プロフィル〉

田頭 孝志

防災アドバイザー/気象予報士

田頭気象予報士事務所。愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数、防災マニュアルの作成に参画。

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