俳優・中尾彬さんが「心不全」で逝去 5つの原因となりやすい人の特徴を医師が解説

俳優・中尾彬さんが「心不全」で逝去 5つの原因となりやすい人の特徴を医師が解説

俳優の中尾彬さん(81)が、2024年5月16日に「心不全」で死去していたことが明らかになりました。急死とみられ、所属事務所が本日中に正式発表する見通しとのことです。

この記事では、心不全の原因や症状、なりやすい人の特徴を医師が解説します。予防法や何科へ受診すべきかなども紹介しているので、心不全が疑われる場合は、迷わず病院を受診してください。

※この記事はMedical DOCにて【「心不全の主な5つの原因」はご存知ですか?なりやすい人の特徴も医師が解説!】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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監修医師:
小正 晃裕(医師)

京都大学医学部卒業。循環器内科・臨床不整脈を専門とし、これまで関西電力病院、京都大学医学部附属病院などで勤務。主にカテーテルアブレーション、不整脈デバイス診療に従事。現在は大手企業の専属産業医、複数クリニックで内科外来業務に従事しながら医療DX推進に向けて複数事業を運営中。日本内科学会認定内科医、日本循環器学会認定循環器専門医、日本不整脈心電学会認定不整脈専門医、日本医師会認定産業医。

「心不全」とは?

心不全とは、さまざまな原因によって心臓が全身に十分な血液を送り届けることができなくなる状態を指します。心不全には心臓のポンプ機能が弱くなり、十分な血液を全身に送り出せない場合(収縮不全)と、心臓が硬くなって正常に拡張できず、十分な血液を心臓に取り込めない場合(拡張不全)の2種類が存在します。
心不全は単一の病気ではなく、心臓病、高血圧、肥満などほかの健康問題が長期にわたって心臓に負担をかけ続けることで徐々に進行します。症状としては、息切れや疲労感、脚のむくみなどがありますが、初期の段階では症状が出ないこともあります。心不全は重大な健康問題であり、早期の診断と適切な治療介入が重要です。また、生活習慣の改善によって予防することも可能となるため、この記事を読んで心不全についての知識を身につけておきましょう。

心不全の主な原因

冠動脈疾患

主に動脈硬化を原因にする冠動脈の狭窄で心臓への血流が減少し、心筋が十分な酸素を得られない状態です。症状としては、胸の痛みや息切れがあります。受診すべき診療科は循環器科です。痛みが激しい場合や休息しても改善しない場合は、緊急でも受診するようにしてください。

高血圧

長期間にわたる高血圧は心臓に負担をかけ、心不全を引き起こすことがあります。高血圧の症状としては、頭痛やめまいなどが認められることもあり、管理は主に内科で行われます。コントロール不良な高血圧が続くような場合には心不全リスクも高くなるため、内科あるいは循環器科を受診することが重要です。

心筋症

心不全の原因として、拡張型心筋症や肥大型心筋症など、心筋の障害を起こす疾患が基礎疾患として存在することもあります。症状としては、心筋症の種類によっては胸痛や息切れを起こすことがあります。これらの症状を認める場合には精密検査を受けるようにしてください。

弁膜症

心臓の弁が正常に機能しない状態で、これにより血液が逆流したり流れが悪くなったりして心臓の負担が増大し、心不全を引き起こすことがあります。症状としては、息切れや胸の痛みがあります。心臓弁膜症の診断と治療は主に循環器科で行われ、弁膜症も進行性の場合が多いため定期的な検診が必要です。

不整脈

心臓のリズムが乱れる不整脈が持続することで、心不全を引き起こすことがあります。代表的なものとしては心房細動や心房粗動などがあり、その症状としては動悸やめまい、ふらつきを自覚することがあります。こうした症状を認めた場合には、精密検査を受けて心不全を起こしていないか確認してもらうようにしましょう。

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