《幸福度》ワースト3位の日本人は果たして“不幸”なのか?不運を幸福に変えるシンプル思考術 心理カウンセラーが解説

《幸福度》ワースト3位の日本人は果たして“不幸”なのか?不運を幸福に変えるシンプル思考術 心理カウンセラーが解説

(1)幸運と幸福を区別する

 あなたが宝くじに当たった場面をイメージしてください。これは幸運でしょうか、それとも幸福でしょうか? これは、幸運ですね。では、宝くじに当たった場合、すべての人が幸福になれるのでしょうか?この答えはNOです。当選者の数年後を追跡して調べると、不幸な人生を送っている人もいるからです。

 ここで区別をしたいのは、幸運と幸福は異なるということです。この2つの違いは、次のように考えることができます。

「幸運」:外的な要因や、偶然に左右されがちなもの。
「幸福」:外的要因に左右されず、自分で感じるもの。

 これは、不運と不幸にも通じるものです。自分の人生をコントロールできる感覚が持てない人の中には、この幸運と幸福を混同している人も多いのではないでしょうか? 例えば、宝くじに当たることは幸運です。しかし、そのお金の使い道を間違えると不幸になります。天気予報が外れ、旅先で雨に濡れること、これは不運です。しかし、それでも、雨模様の中に素敵な景色を見出すことができるとすれば、これは幸福です。

 このように「運」はなかなかコントロールできません。しかし、それを「福」に変えることは十分に可能です。ではどうすれば、不運を幸福に変えることができるのでしょう?

 嫌だなと思う不運な出来事に遭遇した場合、多くの人は「そのせいで」と言います。しかし、その場面で「そのおかげで」と呟いてみてください。

・「そのせいで」と続けると、そのまま不運が不幸になってしまいます。
・「そのおかげで」と続けると、幸福に切り替えることもできそうです。

 人生は「塞翁が馬」とも言います。そして、この2つの言葉のどちらを選ぶのか、これは本人がコントロールできるのではないでしょうか。

(2)主体的な生き方を選ぶ

 ポイントの2点目は、主体的に生きている人と、受身的に生きている人の違いです。

主体的な人:人生をコントロールできている感覚が持てる
受身的な人:人生をコントロールできている感覚が持てない

 受身的な生き方の場合、自分の言いたいことが言えません。さらに、自分のやりたいことができません。これらの状況をコントロールできているとは言えませんね。では、ストレスの面から考えてみましょう。主体的に生きている人と受身的な人。どちらもストレスは抱えます。では、乗り越えやすいのは、どちらのストレスでしょう?

 答えは、主体的な人のストレスです。一般的にストレスというと、良くないものと捉えられます。しかし、ストレスの原義は「外からの圧力により歪みが生じた状態」であり、ストレスそのものには善し悪しはありません。

 主体的に自分から取り組む人の場合は、乗り越えやすいストレスです。なぜかというと、自分で積極的に関わっていくからです。もちろん、失敗もあります。しかし、トライ&エラー、試行錯誤を繰り返しながら、最終的には乗り越えるところまで到達します。たとえ成功や栄光を手にすることができなかったとしても、よき経験・よき糧とすることができるのです。

 一方、受身的な場合、乗り越えることが難しくなります。相手に合わせる生き方は、相手次第となり、自分ではコントロールしにくくなるからです。

 このように考えてみると、「コントロールできている感覚」を持つためには、主体的な生き方が大事ということがわかります。では、どのようにすれば良いのでしょう?

「私は」と呟いてください。これだけでOKです。

・「私は」と自分を主語にすると、自分が主体となります。
・「あの人は」のように他者を主語にすると、受身となります。

 補足です。たとえ「私は」を主語にしたとしても、「私は××された」のように、受身の言い方では主体的になりません。あくまでも「私は〇〇をした」と能動的な表現を心がけてください。

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