液状化が起こる原因とは? 被害事例と対策を紹介


写真:PIXTA

地震によって発生する災害の一つに液状化があります。

液状化は地盤が液状になってしまう現象のことで、埋立地や河川付近のように地盤がゆるい土地で発生しやすい災害です。

東日本大震災時にも広範囲にわたって液状化現象が発生したことから、「どうして液状化現象が発生するのか」「自分の住んでいる場所は大丈夫なのか」など、疑問や不安を感じたことがあるかもしれません。

今回の記事では、液状化が起こるメカニズムや、起こりやすい場所、対策などを紹介します。

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液状化とは?

液状化とは地震が発生した際に、地盤が揺さぶられることによって地盤の一部が液体状になる現象のことです。地盤が一時的にやわらかくなることによって建物や車に被害が出たり、道路の通行が困難になったりなどさまざまな影響をもたらします。

液状化が起こるのは砂粒同士が結びつき、その間を水が満たしている地盤です。

地震による振動により、結びついている砂粒同士が揺さぶられてバラバラになり、砂の粒が沈下して水と分離し、地盤の沈下や亀裂を引き起こします。


引用:東京都都市整備局「東京都建物における液状化対策ポータルサイト」

例えば、井戸を掘ると水が出てきたり、雨上がりのグラウンドの土の上で足踏みしていると水がにじみ出たりすることなどをイメージすると分かりやすいかもしれません。

地下水がある場所や埋立地、河川の近くのように水分が多いエリアの地盤は、砂と砂の間に水を含みながら砂などの粒子が結びついて支えあっています。しかし、地震が発生して地盤が強い振動を受けると、接触していた粒同士のバランスが崩れ、バラバラになった砂の粒が水に浮いたような状態になって液状化が発生します。

液状化は珍しい現象ではなく、震度5以上の地震に伴って発生しやすく、さらに地震の規模が大きくなるほど被害が広域におよびやすいことも特徴です。

過去には以下のような地震で液状化が発生しています。

このように大地震が発生すると広い範囲で液状化現象が起こります。

埋立地は危険?液状化が起こりやすい土地とは

液状化は、地盤に多くの水分が含まれる土地で発生しやすい特徴があります。なお、液状化のリスクについては国土交通省が公開している「重ねるハザードマップ」でも確認できます。


引用:国土交通省「重ねるハザードマップ」

重ねるハザードマップは防災に役立つ情報を地図上に重ねて閲覧できるシステムで、津波や土砂災害、浸水、洪水、高潮など、さまざまな災害リスクや避難場所をすぐに探すことができます。

また、重ねるハザードマップの項目「土地の特徴・成り立ち」には、「地形区分に基づく液状化の発生傾向図」があり、これまでの地震において発生した液状化被害を地形区分ごとに集計して表示しています。

まずは自分の住んでいるエリアで液状化が起こる可能性があるか、チェックしておきましょう。

地下水位が浅い土地

地下水位が浅い土地は液状化が発生しやすい特徴があります。

「地下水位が浅い」とは、地表面から地下水までの距離が短いという意味で、地下水位が浅いと液状化が起こりやすいのは水圧が上昇したときに水が噴き出しやすくなるためです。

一般的には地表面からの深さが15m~20mよりも浅いと、液状化しやすいといわれています。

埋立地

埋立地も液状化が起こりやすい土地です。

埋立地は海面や湖など公有水面(公共の水流または水面で、国の所有に属するもの)を護岸で囲い、その中に廃棄物や土砂などを投入することによって造成された土地のことです。陸続きに水面を埋め立てて陸地にするケースと水面に新しい島を作る場合がありますが、いずれも地盤に水分を多く含むことから液状化が起こりやすい特徴があります。

また、埋立地は堆積した時期が比較的新しく、緩い砂地盤であることも液状化が起こりやすい理由の一つです。

過去に液状化が起こった土地

過去に液状化が起こった土地は、大きな地震が発生したときにまた液状化が起こる可能性があります。

「液状化で揺さぶられて締め固まるのでは?」と思うかもしれませんが、実際には地下水の中でふわっと詰まるような感じであり、締め固まるような感じにはなりません。

もともと沼、川、水田だった土地

もともと沼、川、水田だった土地も、地下水位が浅く液状化が起こりやすいため注意が必要です。

川は長い歴史の中で流れが変わっていることも少なくありません。例えば、氾濫で流れが変わったり、敷地造成のために工事が行われたりすることで水の流れが変わることもあります。そのため、海や大きな河川がない内陸でも液状化が発生するリスクはあります。

大きな川の近く

大きな川の沿岸には水の流れで運ばれた土砂が蓄積しているところもあります。この土砂が蓄積した部分の地盤は埋立地のようになっていることから、液状化が起こりやすい土地です。

また、川が蛇行している部分や合流している部分の沿岸などは大雨が降ったときに氾濫しやすい特徴があります。過去に何度も氾濫を繰り返している可能性も高く、液状化しやすいため注意が必要です。

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