「運動会が嫌い」「行きたくない」子どもたちが《そうじゃない!》と感じる保護者の間違った対応とは? 心理カウンセラーが解説

「運動会が嫌い」「行きたくない」子どもたちが《そうじゃない!》と感じる保護者の間違った対応とは? 心理カウンセラーが解説

正しい声かけは「なぜ?」よりも「どうしたら?」

気持ちが落ち着いた後、どうしても親としては「理由や原因」を確認したくなります。 ただ、少しお待ちください。あなたの子どもさんが「運動会行きたくない」と言っています。この場面、次のどちらの方が、子どもは答えやすいでしょう?

(1)なぜ、行きたくないの?
(2)どんな運動会だったら行ってみたい?

答えは、(2)です。(1)のように「なぜ?」と聞かれると、問い詰められたと感じる場合もあります。また、不登校のお子さんのアンケートでは、「よくわからない」という場合もあります。「答えたくない」のではなく「答えられない」ケースも多いのではないでしょうか。 (参考:【概要】不登校児童生徒の実態調査結果)

 原因の質問が詰問になったり、そもそも原因がわからないのならば、「どんな運動会なら?」と前向きになれる問いかけの方が、打開策も見つけやすくなります。出てきた打開策を、どのようにすれば実現できるのか、具体的な手順や方法を、一緒に考えてあげてください。

 もちろん、具体的な原因を教えてくれる場合もあります。その場合も、「〇〇なんでしょ」と決めつけたり、「〇〇すれば解決するよ」などのようにアドバイスをしたりするのではなく、「教えてくれてありがとう」のように、感謝の思いを伝えてください。ギュっとハグするのも効果があります。お子さんも「こんなこと、言ってもいいかな?」「怒られないかな?」のように、不安な気持ちでいっぱいな状態です。不安な思いを払拭してあげてください。なお、原因を聞く質問も、「なぜ?」ではなく「どんなところが嫌なの?」と聞く方が答えやすいです。

 例えば、「行く」と答えたとします。打開策が見つかり、何とか行けそうになったとしても、当日までに次のことも起こり得ます。

・いろいろな場面が頭をよぎり不安が増大する
・お腹など体の不調や痛みを訴えること

 前者は、出口を見つけようとグルグルと考えが巡っている状態です。この結果、心身のエネルギーは低下し、「なんとなくだるい」と、やる気や思考力の低下を招きます。後者の体の不調は「言いたいことを我慢した結果、体がそれを代弁」した結果です。どちらであっても、頭では「行くべき」と捉えていても、気持ちがついていけない状態です。前述の図の左側と言ってもいいでしょう。再度気持ちを受け止めてあげてください。その上で、「休む」ことを選択するのもOKではないでしょうか。

「参加・不参加」の二択ではなく、一部参加や見学という選択肢もあります。どれが絶対的な正解ではなく、どれも現時点での正解。このような捉え方ができるといいですよね。100点満点の正解を見つける発想が、子どもを追いつめてしまうケースもあるからです。そして大事なことは、「不安なときに誰かがいてくれる安心感」「一緒に考えてくれる安心感」この安心感を持てることが、不参加を選んだとしても、今後のお子様の成長に繋がります。


メンタルの不調のイメージ

メンタルが不調な時は「マインドフルネス」が有効

 メンタルが不調なとき、マインドフルネスが有効と言われます。不安が増したり、体が不調を訴えたりするときは、本人の意識が「いま・ここ」に居ない状態です。意識がいま・ここに居ない状態が続くと、脳は疲れます。 ※脳みそ君があっちこっちに彷徨う姿をイメージしてください。すごく疲れて泣き出してしまいそうです。

 マインドフルネスの目的は、意識を「いま・ここ」に戻すことにあります。お子様と一緒にマインドフルネスに取り組んでみてはいかがでしょう?また、このマインドフルネスの応用のゲームに、「頑張っていると言われたくないゲーム」があります。

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