海上警報は6種類
海上警報の条件を見るとわかるように、船舶向けの予報では「風速の単位にノット(kt)」、「距離の単位に海里」が使われるのが一般的です。
なお、1ノットは1時間に1海里進む速さになります。
また、海上警報は風と霧を対象としたものが中心で、それ以外の現象については「その他の海上警報」として発表されます。
海上警報は気象警報のように都道府県や市町村を対象として発表されるのではなく、日本近海を12の地方海上予報区に区分し、さらに37の細分領域に分割し、これらの海域を対象に発表しています。
引用:気象庁「海上警報・海上予報の発表海域」
海上警報と気象警報、津波警報との違い
海上警報と気象警報の大きな違いは対象範囲です。海上警報は沿岸から300海里(556km)であるのに対し、気象警報の対象は主に日本国内の陸上と20海里(約 37km)以内の沿岸です。海上警報も沿岸領域を含むことから、沿岸では気象警報と海上警報それぞれが対象となります。
ここで注意すべきは、気象警報と海上警報は似たような名前が多いことや、発表基準が異なることです。
例えば、「海上暴風警報」は風速24.5m以上ですが、「気象警報における暴風警報」の基準は自治体によって異なります。暴風警報は陸上と海上を対象としており、海上の場合だと風速25m/s以上を基準としていることが多く、海上暴風警報と暴風警報の発表基準はほとんど変わりません。
一方、「海上強風警報」と「気象注意報の強風注意報」は同じ「強風」とついていますが、海上強風警報が風速17.2m/s~24.5m/sで発表されるのに対し、海上を対象とした強風注意報は風速15m/s以上で発表される地域が多いです。
この場合だと、海上強風警報よりも風速13.9m/s~17.2/mで発表される「海上風警報」の方が、強風注意報の基準に近い風の強さとなります。
なお、津波警報は地震やそのほかの原因で、高いところで1m~3m程度の津波が予想されるときに気象庁が発表する津波専用の警報であり、気象警報や海上警報とは異なる警報です。
配信: 防災ニッポン