小さな炎症ですが、口の中にできると、とっても不快で、QOLにも影響する口内炎。
口内炎はなぜできるのでしょうか?
何かに行けば治療でき、早く治すことはできるのでしょうか?
高谷歯科クリニック 院長の高谷秀雄先生にお話を伺いました。
口内炎ができる理由
まずは口内炎ができる理由についてお話しします。
実は、口内炎ができる理由はさまざまです。
1:アフタ性口内炎
疲労・ストレスが原因の口内炎の中で多いのが、ストレスや疲労により免疫力が低下してできるのが「アフタ性口内炎」ですが、はっきりとした原因はわかっていません。
栄養バランスの乱れ、睡眠時間の不足なども、アフタ性口内炎ができる原因となります。
2:カタル性口内炎
カタル性口内炎とは、外傷や熱傷などによりできる口内炎です。
頬の内側を噛んでしまった場合、合わない被せ物・入れ歯や歯科矯正装置が粘膜に触れてできた傷や、熱・薬品などによる刺激などが原因となります。
被せ物や入れ歯が合っていない場合は調整するか、新しく作りなおします。
3:ウイルス性口内炎・カンジダ性口内炎
ウイルスや真菌(カビ)が原因で口内炎ができることもあります。
原因となる真菌・ウイルスには、カンジタ菌や単純性ヘルペスウイルスなどがあります。
ウイルス性口内炎は、粘膜に小さな水ぶくれができ、破れると潰瘍ができます、他の口内炎に比べて痛みが強く、発熱や倦怠感を伴う場合があります。
口腔カンジダ症は、舌やほほ粘膜に白斑を発症し、口内がヒリヒリした症状を認めます。
ウイルス性口内炎ができると、食事を摂取することが困難になりますので、水分摂取をしっかりおこなうことが必要となります。
原因となるウイルスや細菌により治療法は異なりますが、異常が疑われる場合には、重篤化する前に医療機関を受診しましょう。
早く治す方法はある?
疲労や栄養バランスが崩れたことが原因でできた口内炎は、休養を取り、栄養バランスを整え、口の中を清潔に保つことが大切でしょう。
しかし、長期的に続く場合(10日以上)や広範囲で発生している場合、発熱などの全身症状を伴っている場合などには、病院を受診することをお勧めします。
また、痛みが強くて食事ができないなど、生活に支障が出ている場合にも、無理せずに医療機関を受診しましょう。
主な口内炎治療には、薬物療法・レーザー治療があります。
●薬物療法
薬を使って口内炎を改善するには、口内炎の原因に合った薬を使用します。
殺菌・消毒効果、抗炎症作用のある市販薬(軟膏・シール・飲み薬など)も販売されているので、使用することで効果的に改善することも可能でしょう。
医療機関では口腔粘膜用ステロイド薬、や含嗽剤を処方します。
ウイルス性口内炎では、原因となっているウイルスに効く抗ウイルス薬を処方します。
●レーザー治療
殺菌・消炎鎮痛・組織の活性化などの効果があるレーザーを使用します。
これにより痛みが軽減され、治癒を早める効果があるとされています。
口内炎は、歯科口腔外科、または耳鼻咽喉科を受診すると良いでしょう。
子供の場合は、かかりつけの小児科で診てもらうのも良いでしょう。
[執筆者]
高谷秀雄(たかたに・ひでお)先生
歯科医師(歯科口腔外科)
医療法人雄愛会 高谷秀雄歯科クリニック 院長・理事長
[プロフィール]
「断らない医療」をモットーに、患者さんとのコミュニケーションを大切にし、ひとりひとりに合った歯科治療の提供を心がけた病院を目指している。
専門は親知らずの抜歯・口腔癌等、歯科口腔外科全般。
審美歯科治療・インプラント治療も得意とする。
高谷秀雄歯科クリニック ホームページ
https://www.takatani-dental.jp
配信: キレイ研究室
関連記事: