最期に間に合わなかった
実家では空気清浄機を買い、父の一時帰宅に備えました。父は身の周りの整理をし、病院に戻りました。それからは、せきで苦しむ様子を見ていられず、痛み止めや睡眠薬などを用意してもらい、私は職場に戻りました。
看護師さんには「もう長くないから、そばに付いていてあげたほうがいいよ」と言われましたが、私はそんなことはないと自分に言い聞かせ、結局それが父との最後になってしまいました。職場で連絡をもらったときは、「(父は)もう病院にはいない」「実家に来るように」と言われ、頭の中が真っ白になりました。
実家では、亡くなった父が寝ていました。私は、最期に間に合わなかったと泣きながら父に謝りました。あのとき、看護師さんの言葉を信じればよかったと悔やみました。自分の思う通りに相手は生きてくれるとは限らないのだと、嫌というほど思い知らされました。
まとめ
父の体の痛みや苦しみを取り除くために、眠る時間が長くなるような薬の処方をお願いしていましたが、今でもあれは正しいことだったのだろうかと思うことも。「死にたくない」と言っていた父は、果たして苦しむことなく人生を終えたのだろうか、もっと何か私ができたことがあったのではと、何年もたった今でも思います。一方で、疎遠だった父のそばに寄り添えてよかったと思うこともあります。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
文/関谷 恵
著者/シニアカレンダー編集部
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