●先取り貯蓄で“貯蓄のお金”を確保
お金を貯める第一歩として、“必須”となるのが、先取り貯蓄をすることなのだそう。
「お給料が入ったらすぐに貯蓄分を差し引いて、残った分でやり繰りする、つまり『先取り貯蓄』は基本中の基本です。それを単純に習慣化できているかどうか。それができてはじめて、メリハリがある出費を心がけることもできると思いますね」(丸山さん、以下同)
そして、先取り貯蓄と並ぶ基本が「家計簿」だといいます。
「計画的に貯金をするうえでは、何はともあれ毎月の収支を把握し、予算内でやりくりする意識を持つことが絶対条件となります。収入が低いから貯蓄どころではないという人は多いのですが、むしろ貯蓄のキモは支出。30代のうちにしっかりと貯蓄できている人は、支出をいかに抑えるかに知恵を絞っています。そのためにも、収入と支出を家計簿でしっかり把握することが重要なのです。これを面倒くさがっていると、いつまで経っても貯められないと思います」
●クレジットカードを安易に使わない! 日頃の心掛けが大事
目指す貯金額の大小に関わらず、まずはお金を管理する習慣をつけることが大事だと丸山さん。
「管理ができないと、確実に貯蓄はできません。まずは一番簡単な『お金の出入り』をチェックすることから始めてみましょう。家計簿のいい面は『お金の流れが分かる』ことと、『日々の予算が守りやすくなる』ことです。これは1週間ごとにまとめてやっても意味がありません。1日5分でいいので、使った金額と残金をチェックする。そのうえで、残りの日数をどうやって過ごすか考える習慣をつけるといいと思います」
これにより、ムダ遣い防止にむけて出費をセーブする意識がつき、ひいてはお金が貯まる好循環が生まれるのだとか。また、支出の管理という観点から見て、大敵なのが「クレジットカード」。きちんと管理できない人は、多用は禁物とのこと。
「クレジットカードでの買い物が日常化している人は、“自転車操業”に陥りがちです。怖いのは『クレジットカードの請求が来て、引き落としがかかる』→『お金がないからまたカードを使う』というスパイラルにはまってしまうこと。実際、貯蓄が上手な方は現金管理にしていることが多いですね。クレジットカードも上手く使っている人は、使ったらその分は引き落とし口座に入れています。基本は『当月で管理すること』なんです」
なお、30歳からの10年間で1000万円貯めるとなると、1カ月当たりの最低貯蓄額は約8万3000円。決して楽ではありませんが、全くもって不可能な数字ではないはず。まずは、支出をおさえる意識を持ち、“貯め癖”をつけることからはじめましょう。
(取材・文=末吉陽子/やじろべえ)