●新じゃがいも
皮が薄く、水分が多くて、みずみずしい。皮ごと食べられるため、皮に多く含まれる食物繊維やミネラル、ポリフェノールの一種である抗酸化成分のクロロゲン酸を摂ることができます。また、じゃがいもに含まれるビタミンCは加熱に強い特長があり、収穫後すぐに出荷される新じゃがはビタミンCの損失も少なめ。一方、ペクチンが未熟で細胞が壊れやすく、粉吹きイモには不向きです。水分が多いため、傷みやすく長期保存がきかない弱点も。
▲煮っころがしなど、じゃがいもらしい粉質感を活かしたいなら「熟成じゃがいも」がおすすめ。
●熟成じゃがいも
貯蔵・熟成させることで、主成分である、でんぷんの含有量が増え、じゃがいも特有のホクホクとした味わいと食感が増します。保存性が高く、カレーやコロッケ、肉じゃが、粉吹きイモなど幅広い料理に使いやすいのが最大のメリット。逆に、収穫から時間が経つことでビタミンCが減少し、硬く厚くなった皮をむいて食べることが多く、皮ごと食べられる新じゃがよりも摂取できる栄養成分は少なくなります。
なお、じゃがいもの代表的な品種といえば『男爵』と『メークイン』ですが、X(旧ツイッター)の投稿を見ると『きたあかり』『インカのめざめ』『ノーザンルビー』など、多彩な品種の“新じゃが”ポストがありました。珍しい品種の“新じゃが”と出会えたら、ぜひ味比べを楽しんでみてください。
※参考文献:杉田浩一ほか監修『新版 日本食品大事典』医歯薬出版株式会社,2017、名取貴光監修『新・野菜の便利帳 健康編』高橋書店,2016、板木利隆監修『新・野菜の便利帳 おいしい編』高橋書店,2016、白島早奈英・板木利隆監修『もっとからだにおいしい野菜の便利帳』高橋書店,2009、上西一弘ほか監修『健やかな毎日のための栄養大全』NHK出版,2022、池上文雄ほか監修『からだのための食材大全』NHK出版,2019、主婦の友社編『名前がわかる!フルーツ&ベジタブル図鑑』主婦の友社,2018、レジア編『日本の食材図鑑』新星出版社,2018
(野村ゆき)
配信: LASISA
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