歯科訪問診療と呼ばれる診療方法をご存じでしょうか。歯科訪問診療とは歯科クリニックに通うことなく、歯の治療などを受けられる診療のことで、とても便利な歯の治療制度です。しかしながらこの制度を受けられるのは、歯科クリニックに通院することができない方であり、歯科医師がそれぞれの症例ごとに適正に判断して、必要であると認めた場合に限り治療を受けることができます。
歯科訪問診療の対象は後期高齢者が多い
歯科訪問診療が適用となる方の多くが高齢者であり、その理由は、特に後期高齢者になると歯科クリニックへの通院ができない通院困難者が多くなるからです。歯科訪問診療が適用となるのは、歯科医師が必要であると認めた場合に限られますが、ほとんどのケースで通院困難者は診療の対象となってきます。高齢者と一口にいってもその内訳は、65歳~74歳の方が対象となる前期高齢者と、75歳以上の方が対象となる後期高齢者に分かれます。前期高齢者の方であれば、自力で歯科クリニックに通える方がほとんどですが、後期高齢者になると車いすがなければ移動できない方や、歩行が困難な方が多くなります。従って歯科訪問診療を受ける方の多くは、後期高齢者の方が必然的に多くなってしまうのです。
歯科外来診療の患者は車での来院が多い
歯科外来診療を利用する患者様の多くは、車で来院される方です。交通網が整備されている都会では、公共交通機関を利用して来院することが可能ですが、都心から少し離れると車がなければ歯科クリニックに通うことが難しくなってきます。地方になればその傾向は顕著になり、歯科クリニック自体が自家用車での通院をメインとした立地に開院されるケースが多く見られます。そうなると、運転免許がないもしくは運転免許証を返納した後期高齢者では、歯科クリニックに通うことが不可能になります。
配信: 医科歯科健診コラム