介護に疲れ果てた友人夫婦
何時だろうと鳴らされるようになってしまったアラート。最初は見守りのつもりだったのに、昼夜問わず鳴らされるそれに、友人夫婦は辟易(へきえき)してしまいました。安心のための道具が、まさかこんなことになるなんて……。しかも、「一度アラートを鳴らしても来てくれないから」という理由で、さらに何度も何度も繰り返されるように。その上、急いで駆け付けた友人夫婦に「なんですぐ来ないのか」「遅すぎる」と怒鳴り散らすようになってしまったと言います。
友人夫婦は疲れ果て、友人はついにノイローゼ状態になってしまいました。友人が「ひとりが不安な気持ちはわかるから」と親切心で取り入れた見守り機能で、こんなことになるなんて……と涙ながらに話した姿が忘れられません。
結局、義母はグループホーム(認知症の人が共同生活を送るための施設)に入居することになりました。断固拒否していた施設での生活でしたが、始めてみれば、いつでも人がいることにとても安心感を覚えたようで、それからしばらくして義母は入居をすることになりました。たまに会いに行って話をしたり、手紙のやりとりをしたりする日々になり、友人もやっと落ち着いて生活を送れるようになったようです。結果、義母と友人夫婦、どちらも落ち着くこととなりました。
まとめ
今回の友人の話を聞いて、私は、介護をおこなう中ではいろいろな選択を迫られることになるけれど、介護をする側とされる側のどちらかの我慢で成り立っている生活は、どうしても歪みが出てしまうものだなと改めて実感しました。本人の意思は尊重したいけれど、自分たちが壊れてしまっては元も子もありません。便利な物もたくさんありますが、それを使えば解決するかというとそうとは限らないんだなということを学びました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
文/おおさわ
イラスト/sawawa
著者/シニアカレンダー編集部
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配信: 介護カレンダー
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