二十四節気は何千年も前に考案された暦
6月5日(水)から「二十四節気(にじゅうしせっき)」の「芒種(ぼうしゅ)」です。
二十四節気は季節を表す言葉として昔から用いられているもので、代表的なものとして立春や春分、夏至、冬至などがあります。そもそもは古代中国の黄河流域にて、季節の変化を適切に把握して農作業にいかすために考案されたもので、2016年には「ユネスコ無形文化遺産」として登録もされています。日本には6世紀ごろに伝わり、農作業はもちろん、平安時代には宮中での祭祀や民間行事の暦としても使われるようになりました。
太陽が通る道「黄道(おうどう)」と、地球上の赤道を天にまで伸ばした「天の赤道」が交差するところを春分点とし、そこを起点に黄道を24等分してそれぞれに季節を表す言葉をつけたものが二十四節気です。
最近ではあまりなじみのないものになりつつありますが、冬至のゆず湯などの習慣は今でも親しまれていますし、テレビのニュースなどで「今日は立春です。まだ肌寒いですが暦の上では春です」といったセリフを耳にすることもあるかもしれません。
「芒種」ってどんな季節?
「芒種」ってどんな季節?
芒種は立春から数えて9番目の節気で季節は夏。6月6日になることが多いのですが今年は閏年の関係で6月5日になり、次の夏至になるまでの6月5日〜20日が芒種の期間です。天候的にはこの頃から暑さが本格的になり、梅雨前線が日本列島を北上していきます。
芒種の「芒」は訓読みで「のぎ」と読み、穀物の先端部分にある突起や草木のトゲを意味しています。つまりこの時期は、米や麦など「芒」のある穀物の「種」をまくのに最適な時期です。
昔から田植えの時期だった芒種には、豊作を祈念した神事や行事が全国で行われます。特に有名なものとして、重要無形民俗文化財にも指定されている大阪・住吉大社の「御田植神事」があります。その他にも、伊勢神宮・別宮で行われる「磯部の御田植」や京都・下鴨神社の「御田植祭」、京都・伏見稲荷大社の「御田舞」、広島県山県郡で行われる伝統行事「壬生の花田植」などがあります。
夏の風物詩の一つでもある蛍が見られるのもこの頃。日本で最もよく見られるゲンジボタルは水中と地中で10カ月以上過ごした後、さなぎを経て成虫になりますが、成虫としての寿命はわずか1週間ほど。蛍狩りを楽しめるのは芒種の期間だけなのです。
芒種から習い事を始めるといいと言われる理由とは?
配信: LASISA