●常温保存する
じゃがいもに含まれるビタミンCは、でんぷんに守られているため加熱に強い性質があります。実は、貯蔵温度5?10℃の暗所にじゃがいもを保存すると、でんぷんの分解が起こらずビタミンCの残存率が高く、グリコアルカロイドも生成されにくいとされています。一方、低温で長期間冷蔵保存するとでんぷんの一部が分解されて還元糖が増え、そのまま揚げ物や炒め物に使うと、健康に悪影響を与える可能性がある有害物質のアクリルアミドができやすくなります。冷蔵庫の野菜室の温度設定はメーカーによって2?6℃や3?8℃など一定ではないため、冷えすぎになるかもしれません。
なお、アクリルアミドは120℃以上の加熱調理で食材に含まれる水分が少なくなると多く生成されやすくなります。揚げすぎや焦げすぎには要注意。ポテトフライやジャーマンポテトなどを作るときは気をつけてください。
▲うっかり冷蔵保存してしまった場合は、肉じゃがなど煮物にすれば大丈夫!
一方、煮る・蒸す・ゆでるなど水を利用した調理ではほとんど生成されないため、冷蔵保存してしまったじゃがいもは、肉じゃがやポテトサラダなどに利用すると良いでしょう。
まとめ
秋冬が食べごろの一般的なじゃがいもと比べて、水分が多い新じゃがはデリケートで長期保存には不向き。大量ストックは避け、1~2週間単位で食べられる量を買うようにして、できるだけ早く使い切るのが良さそうです。
※参考文献:杉田浩一ほか監修『新版 日本食品大事典』医歯薬出版株式会社,2017、久保田紀久枝・森光康次郎編『食品学-食品成分と機能性-』東京化学同人,2017、下村道子・和田淑子編著『新調理学』光生館,2018、名取貴光監修『新・野菜の便利帳 健康編』高橋書店,2016、白島早奈英・板木利隆監修『もっとからだにおいしい野菜の便利帳』高橋書店,2009、レジア編『日本の食材図鑑』新星出版社,2018、農林水産省Webサイト
(野村ゆき)
配信: LASISA
関連記事: