日本が誇る、美味しい日本酒は#sakeとして海外でも大人気ですが「日本酒は悪酔いする」という話を聞き、敬遠されている方もいるかもしれません。
今回は、日本酒を中心に酒類卸業を営む株式会社岡永の飯田永造さまに、日本酒の楽しみ方についてお話を伺いました。
正しく飲めば怖くない!日本酒の楽しみ方
『日本酒は悪酔いする』『冷酒は後から効いてくる』こんな話をよく聞きます。
でもそれは日本酒というよりは飲み方が原因です。
正しい飲み方さえわかれば、悪酔いすることなく美味しく日本酒を楽しむことができるのです。
1:飲みやすくておいしいけど・・・『冷酒は後から効く』って本当?!防ぐためのポイント
「親の意見と冷や酒は後で効く」ということわざがあります。
親の意見はつい聞き流してしまいがちだが、後々その有難さや大切さに気付くということと、冷酒は飲みやすく多く飲んでしまいがちなため、後から酔いが回ってくるということをかけた言葉です。
酔いに関してはアルコールの総量が重要となるので、冷酒であっても熱燗であっても同じお酒を同じだけ飲めば、同様に酔うことが考えられます。
しかし、冷酒はその飲み口の良さから、酔いが回る前にたくさん飲んでしまうと考えられます。
また、体内に摂取されたアルコールは胃にあるうちはゆっくり吸収され、小腸に入ると吸収が速くなります。
つまり、お酒が胃に長くとどまっているとゆっくり酔いが回り、早く小腸へ移動すると、早く酔いが回ることになります。
内臓が冷えると消化吸収が鈍くなり、アルコールの吸収が遅くなることが考えられる点からも、冷酒は熱燗よりも酔いが回りにくく、飲酒量が増加する傾向があるのでしょう。
また、体内への吸収速度は、お酒に含まれるアルコール度数によっても異なります。
アルコール度数が15~30%の濃度のお酒が最も吸収が速いといわれていますが、多くの日本酒のアルコール度数は15%程度と考えられます(出典:日本醸造協会誌 105(7)2010.7 P432-439)。
そのため、冷酒でも熱燗でも、何か食べ物などを胃に入れてからお酒を楽しむと良いでしょう。
お酒を楽しむうえで、飲む量や飲み方はその後の体調にも影響しますので、とても重要です。
2:『日本酒は悪酔いする』?!そうならないための「和らぎ水(やわらぎみず)」って??
こちらはアルコール度数によるものだと思います。
ビールやサワーは5%程度、ワインは10%程度に比べ、日本酒のアルコール度数は15%程度が一般的です。
飲みやすくてついつい飲みすぎてしまうと大変です。
そこで日本酒業界として推奨しているのが「和らぎ水」です。
日本酒と一緒に水を飲むことで体内にてアルコール度数を和らげ、体への負担を減らすことができます。
目安としては飲んだ日本酒と同じ量の水を飲むと良いでしょう。
また日本酒をソーダで割ったり、氷を入れてもアルコール度数を下げることができます。
フルーツジュースや紅茶、コーラなどで割ってつくるカクテルもあり、アルコールにあまり強くない方でも楽しめます。
自分に合った日本酒の楽しみ方をお探しください。
日本酒の魅力は美味しさと豊富な栄養素
日本酒には他の酒類よりも優れた部分が多くあります。
例えばアミノ酸やコハク酸、ビタミンやミネラルなど、豊富な栄養素が含まれています。。
三大栄養素の一つ「たんぱく質」の構成素であるアミノ酸は、筋肉・臓器など体をつくるためにも重要な栄養素です。
必須アミノ酸は体内では合成できず、飲食物から摂取しなければならないものですが、こちらもバランスよく含まれており、コクやうま味をしっかり感じられるだけでなく、美肌や健康効果も期待できます。
ただし、日本酒に限らずアルコールの飲みすぎは身体に負担がかかります。
「飲み方」はとても重要です。
厚生労働省によると、日本酒の場合は1日およそ1合(180ml)。
ご自身の体質や体調にも左右されますので、適量を楽しむようにしましょう。
執筆者
飯田 永造
1990年生まれ、早稲田大学卒。
在学中は、城郭を中心として考古学を専攻。
現在は日本名門酒会を運営する酒類卸会社 株式会社岡永のマーケティング室長を担う。
もともと日本酒は苦手だったが、「ずず音」という日本酒に出会ったことがきっかけで日本酒愛好家になる。
「一家に一本の日本酒」がある日常を目指し、日本酒の需要創造をテーマにさまざまな活動に取り組む。
また、日本名門酒会の公式YouTubeなどで積極的に日本酒の情報を発信している。
体重90キロ、常に痩せる気はある。
今一番好きな日本酒は「香露」。
日本名門酒会 公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCmlU8RLnpPipCpqW1062LlQ
配信: キレイ研究室
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