写真:PIXTA
2024年4月17日の夜に、豊後水道を震源とするマグニチュード6.6の地震が発生しました。四国で震度6弱以上の揺れを観測したのは、現在の震度階級が導入された1996年以降、初めてです。
また、震源地が南海トラフ地震の想定震源域内だったこともあり、「南海トラフ地震の前兆?」「南海トラフと関連性がある?」など、南海トラフ地震との関係について不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では先日発生した豊後水道の地震と、南海トラフ地震との関係性や注意すべきポイントを紹介します。
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愛媛の地震は南海トラフ想定震源域で発生
引用:気象庁「南海トラフ地震防災対策推進地域」
引用:気象庁「地震情報」
豊後水道で発生した先日の地震と南海トラフ地震の関係性が話題になったのは、震源地が南海トラフ巨大地震の想定震源域に入っていたためです。
そもそも南海トラフとは、フィリピン海プレートとユーラシアプレートが接する海底にある深い溝のことです。南海トラフではフィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に1年あたり数cm程度の速度で沈み込んでいます。やがて陸側のプレートがその引きずり込みに耐えられなくなり、限界に達しフィリピン海プレートが跳ね上がることによって南海トラフ地震が発生します。
引用:気象庁「日本付近のプレートの模式図」
愛媛の地震と南海トラフはメカニズムが異なる
先日発生した豊後水道の地震はフィリピン海プレート内で発生した地震であり、南海トラフ地震とはメカニズムが異なります。そのため、気象庁は先日発生した豊後水道の地震は南海トラフにつながる可能性を否定しています。
フィリピン海プレート内部で発生したことを示す根拠の一つとして震源の深さがあります。南海トラフ地震では震源の深さが10km~30kmで想定されているのに対し、豊後水道で発生した地震は深さが約39kmです。
南海トラフよりも深い部分で発生していることから、ユーラシアプレートの下に潜り込んでいるフィリピン海プレートで発生した地震とされています。
引用:気象庁「令和6年4月17日23時14分頃の豊後水道の地震について」
配信: 防災ニッポン