南海トラフ地震臨時情報とは
南海トラフ巨大地震の想定震源域でマグニチュード6.8以上の地震が発生した場合、「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」が発表されます。先日発生した豊後水道の地震はマグニチュード6.6だったことから臨時情報の対象外でしたが、基準ギリギリの地震だったこともあって「臨時情報は出なかったけど、南海トラフ地震と関係ないの?」と不安に感じた方もいらっしゃるかもしれません。
そもそも南海トラフ地震臨時情報とは、南海トラフ沿いで異常な現象が観測された場合に発表される情報です。具体的には、その現象が南海トラフ地震に関連しているか調査を開始した場合や調査を継続している場合、調査結果を発表する場合に発表されます。
したがって、先日発生した豊後水道の地震のマグニチュードが6.8以上だった場合は、南海トラフ地震と関連するかどうか調査が行われていた可能性があります。
しかし、「メカニズムの違いから南海トラフ地震の前兆ではない」と気象庁が否定していることからも、情報の有無に関係なく、先日の地震は南海トラフ地震との関連性が低いといえるでしょう。
なお、南海トラフ地震の想定震源域のプレート境界でマグニチュード7.0以上8.0未満の地震が発生したと評価される場合は「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」、マグニチュード8.0以上の地震が発生したと評価される場合は「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)」の情報が発表されます。
引用:気象庁「南海トラフ地震臨時情報が発表されたら!」
過去に発生した豊後水道の地震
先日発生した豊後水道の地震は珍しいものではありません。過去100年以内に震源地周辺で以下のような地震が発生しています。
特に1964年と1968年に発生した地震は、先日発生した豊後水道の地震と震源や規模が近い特徴があります。
最後に南海トラフが発生したのは1946年です。それ以降も上記の画像のとおり何度か想定震源域で大きな地震が発生していますが、その際も南海トラフ地震が発生していないことを踏まえても、想定震源域で地震が発生したからといってすぐに南海トラフ地震につながるとはいえないでしょう。
配信: 防災ニッポン