大谷翔平フィーバーに苦言を呈する「週刊女性」
地味ながらキラリと光る記事があったりする「週刊女性」のワイド連載「Jam Today」。先週も「芸能リポーターが消える日」という渋い視点での記事を取り上げたが、今週もさすが! と思わせる記事が。それが昨今の大谷翔平フィーバーを諌める記事だ。
ご存じのように日本メディアによる大谷フィーバーが止まらない。ほぼすべてのメディアで連日大谷が取り上げられる。活躍しようがしまいが関係ない。スキャンダルだって、結局は美談に仕立て上げられる。
だが「週女」は違った。なにしろ大谷フィーバーの状況、そして日本マスコミに「週女」は、こう警鐘を鳴らしたからだ。
「ここ最近の過剰なまでの大谷報道に対しては辟易する声が日増しに多くなっているように感じます」
「その一挙手一投足、なんなら何もしてなくても報じるようなメディアへの嫌悪感」
「大谷選手が打てなかった試合でも、“何か”を見つけて、無理やり称えるような記事があふれるのは健全とは思えません」
「過剰報道に対して“大谷ハラスメント”なる言葉も生まれました」(すべてスポーツジャーナリストのコメント)
おっしゃる通り! 視聴率が取れる大谷、読者受けする大谷報道に対し、こんな苦言を呈する日本メディアは稀有だろう。それだけでなく。現地アメリカでの日本メディアの取材姿勢、振る舞いにも苦言を呈し、文末をこう結んでいる。
「日本が誇れる日本人・大谷。誇れない日本メディア――」
メディア批判する「週刊女性」の天に唾する記事
メディア相互批判は大歓迎であり、大谷報道フィーバーに一石を投じる「週女」による至極まっとうなメディア批評でもある。素晴らしい! ところが――。同号「週女」のページを遡り、皇室トップ特集の次に現れた記事に唖然呆然。
そこには2ページにわたる大谷特集が掲載されていたから。いや“意味ある大谷報道”だったらいい。でも、でも――。「週女」の大谷特集の記事の内容は、ごく個人的なエピソードを紹介するものだった。以下、その要約だ。
大谷がデーブ・ロバーツ監督のお誕生日に岡山で作られたウイスキーとチョコレートをプレゼントした。米メジャーリーグではこうしたプレゼントは珍しいことらしいが、「週女」はいくつかの情報を元に岡山の酒造メーカーを推理特定し、メーカーに直撃までした。メーカー担当者によると、反響はすざまじく“歴史的大騒ぎ”となっているらしい。さらにこうした気配りは真美子夫人も同様だとして、バスケ選手時代のエピソードを紹介するのだ。そして本末の〆はこうだ。
「気遣い上手の真美子夫人がいれば、大谷も安心!」
絶句である。言ってはなんだが、どうでもいいお話だ。そして前述「Jam Today」をもう一度振り返ってもらいたい。「週女」が批判した“何かを見つけて、無理やり称えるような記事”“何もしてなくても報じるようなメディア”に、「週女」の大谷特集がバッチリ当てはまってしまっている。
天に唾する行為、ブーメランとはこういうことを言うのか。編集部の別班によるものだろうが、統一性がなさすぎて笑った。
配信: サイゾーウーマン