●根しょうが
寝かせることで水分が抜け、黄色が濃くなり、辛味もアップ。せん切りやみじん切り、すりおろしなどを料理に少し加えるだけで、いろいろな食材の臭みを消したり、うまみを引き立てる香りづけに。新しょうがと比較すると、三大栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質)の代謝を助け、疲労回復を促すビタミンB群が豊富で、食物繊維やうまみ成分であるアミノ酸(アスパラギン酸やグルタミン酸)も多め。
新しょうがと根しょうがの栄養比較
しょうがに共通する香りと辛み成分のメリット
しょうが特有の個性は、食欲をそそる香りとパンチのある辛み。主な香り成分は「ジンギベレン」で食欲増進を促します。辛み成分は「ジンゲロール」「ショウガオール」などで、ジンゲロールは生のしょうがに含まれる成分、加熱したり乾燥させたりすると一部がショウガオールに変化します。食品の生臭みを消す作用のほか、殺菌作用や血行を促して体をあたためたり、胃液の分泌を促進して消化を助けたりする働きがあります。香りと辛味成分は細かく刻んだり、すりおろしたりするほど効果が発揮されやすいと言われています。
▲しょうが料理の定番の一つ、豚のしょうが焼き。肉の臭み消しや食欲増進に、しょうがが一役買っています。
なお、新しょうが・根しょうがの香り成分と辛み成分の含有量の差は、食品成分表には記載がありません。一般的には、貯蔵させる根しょうがの方が辛み成分は強いと考えられています。
※参考文献:杉田浩一ほか監修『新版 日本食品大事典』医歯薬出版株式会社,2017、名取貴光監修『新・野菜の便利帳 健康編』高橋書店,2016、板木利隆監修『新・野菜の便利帳 おいしい編』高橋書店,2016、白島早奈英・板木利隆監修『もっとからだにおいしい野菜の便利帳』高橋書店,2009、上西一弘ほか監修『健やかな毎日のための栄養大全』NHK出版,2022、池上文雄ほか監修『からだのための食材大全』NHK出版,2019、主婦の友社編『名前がわかる!フルーツ&ベジタブル図鑑』主婦の友社,2018、レジア編『日本の食材図鑑』新星出版社,2018
(野村ゆき)
配信: LASISA
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