子どもにも部屋を片付けてほしい!自分だけ片付けるのはもううんざり。そんな時の言葉がけのポイントは?

声かけを変えれば、子どもの行動が変わる!

お風呂に入ってくれない、片付けをしてくれない、食事中に席を離れてしまう…などなど、大人も子どもの「困った行動」。注意しても上手くいかないのは、声をかける方法が間違っているかもしれません。

3歳と2歳の子どもたちを育てながらも「これでいいのかな?」と不安を抱えるマコさんに、「モンテッソーリ教育」「レッジョ・エミリア教育」のスペシャリストで、児童発達学の専門家・華子先生がアドバイス。
『子育てがぐっとラクになる「言葉がけ」のコツ』をお届けします!

登場人物

マコとユウ:子育て中の新米夫婦。マコはイラストレーター・漫画家、ユウはコロナで在宅勤務が増えた会社員。

アララ:きょうりゅうが大好きな3歳半。あまり言うことを聞いてくれない。

ユララ:マイペースで食いしん坊な2歳児。気の強さを感じて、ママのマコは心配。

華子先生:島村華子先生。子どもに対する絶対的な尊敬・尊重を基盤にする「モンテッソーリ教育」「レッジョ・エミリア教育」についてくわしい児童発達学の研究者。上智大学卒業後、カナダのモンテッソーリ幼稚園での教員生活を経て、オックスフォード大学で博士号を取得(児童発達学)。現在はカナダの大学にて幼児教育の教員育成に携わる。

片づけをしない子どもに、どう言えばいい?

子どもたちに「片付けるよ!」と声をかけても、「え〜?」「やだ〜」「ちがうあそびしたい〜」と拒否されて、いつも自分ひとりで片付けてるような気がする父親のユウさん。「もう嫌だ」という気分です……。



ユウさん「部屋がいつもぐちゃぐちゃで!も〜どうしたらいいのか」
華子先生「ユウさんの思うきれいの基準ってどんな感じですか?きれいの基準って大人でも全然違いますよね」
ユウさん「言われてみれば僕とマコでも全然違います。子どもたちにも僕の基準を求めていました。ブロックやぬいぐるみが一個も落ちてない状態を…」
華子先生「ユウさんちょっと期待値下げましょう!」
ユウさん「確かに。じゃあ子どもたちに片付けさせるって無理なんですかね…」
華子先生「いえいえこれもお子さんと一緒に楽しむキッカケのひとつ!目的を捉え直しましょう」



ユウさん「楽しめる気がしない!いつも僕だけが片付けてますから…」
華子先生「大丈夫!ちょっとしたコツがありますから。お片付けにゲーム性を持たせるんです。具体的には『お父さん赤のブロックだけ片付けるぞ〜』だったり、『ブロックを音を出さないようにそーっと箱にいれるよ〜。見て〜』といった言葉がけですね。一緒に楽しくコツコツ続けてみてください。ユウさんがやってほしい片付けを何回も見せましょう」



後日、ご自宅で子どもたちが部屋で遊んでいるときのこと。
ユウさん「(うわ…またぐちゃぐちゃ。言葉がけ…やってみるか)よし!お父さん赤のブロック集めよっと。1個、2個、たくさん集まったな〜」
アララくん「アララはなにいろにしよっかなあ〜」
ユウさん「(アララが参加してきた!)」
ユララちゃん「これ」
ゆうさん「(ユララも来た!)」
アララくん「アララきいろいっぱいみつけたよ」
ユウさん「お〜」


またあるときは…
ユウさん「(小さな声で)音を立てないように入れるぞ〜。二人とも見て〜」
アララくん「すごいね!おとでなかったね!おとうさんやるねえ〜。へやきれいになった〜!」
まだ散らかっている部屋を見たユウさんは、「これがアララ的きれいの基準…正直きれいではない…でも…なんていうか、一緒にやってくれるのって一人孤独に片付けてたときより、嬉しいし気持ちがラクだな」と思ったそうです。

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