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地球温暖化に伴い暑さも年々厳しさを増しており、熱中症のリスクも高まっています。
熱中症は、体温の上昇と調整機能のバランスが乱れることにより、熱が体にたまって立ちくらみや痙攣などの症状が起こり、最悪の場合には死に至る恐ろしい症状です。
熱中症に備える方法として、熱中症警戒アラートの活用がありますが、気候変動適応法の改正によって2024度には「熱中症特別警戒アラート」も新設されました。これらのアラートが発表されたときには適切な行動を取り、熱中症から身を守ることが大切です。
この記事では、熱中症特別警戒アラートの概要や発表されたときの対処法を紹介します。
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熱中症特別警戒アラートとは
「熱中症特別警戒アラート」は、気温が特に著しく高くなることにより、熱中症による人の健康に重大な被害が生じるおそれがある場合に環境省が発表する情報です。
具体的には、都道府県内においてすべての暑さ指数情報提供地点で、翌日の最高暑さ指数(WBGT)が35に達する場合に発表されます。
暑さ指数(WBGT)はアメリカで提案され、気温以外にも湿度や日射、周辺の熱環境などを考慮して数値化した暑さの指標です。
引用:環境省「日常生活に関する指針」
引用:環境省「運動に関する指針」
暑さ指数が31以上になると危険レベルとなり、運動は原則禁止、外出はなるべく避けて涼しい室内に移動することが推奨されています。つまり、熱中症特別警戒アラートの基準となる暑さ指数35は、危険な暑さもはるかに超えた状態であることがわかります。
なお、熱中症特別警戒アラートの注意点は、都道府県内のすべての観測地点において暑さ指数が35を超えないと、発表されないことです。例えば、愛媛県の暑さ指数の観測地点は合計14か所ありますが、このうち1か所でも35未満の場所があると熱中症特別警戒アラートは発表されません。
熱中症特別警戒アラートが発表されていなくても、自分の住んでいる地域において暑さ指数が35を超える場合は警戒が必要です。
熱中症警戒アラートとの違い
熱中症警戒アラートは熱中症の危険性への注意を促すものとして、全国を58に分けた府県予報区を対象として気象庁と環境省が発表します。各府県予報区における暑さ指数情報提供地点で、いずれかの地点の暑さ指数が33に達する場合に発表されます。
熱中症特別警戒アラートと熱中症警戒アラートの違いを以下にまとめています。
熱中症特別警戒アラートは熱中症警戒アラートの上位の情報として位置づけられており、熱中症特別警戒アラートが発表された場合、重複する地域や対象日の熱中症警戒アラートは発表しないことになっています。
配信: 防災ニッポン