水戸市ではピロリ菌検査を実施予定 対象は中学2年生?
2017年2月28日の茨城新聞クロスアイの記事によると、茨城県水戸市は2017年度から、全市立中学校の2年生を対象に、採血によるピロリ菌検査を実施する案を同市の予算案に提出予定。従来から中学2年生を対象にして実施している「貧血検査」に合わせて生徒の同意を得たうえで実施するそう。
検査結果は学校経由で生徒に直接通知され、結果の陽性・陰性にかかわらず、ピロリ菌感染に伴う胃がん発症のリスクや除菌治療の方法などの案内を行うようです。
同市医師会は、ピロリ菌は5歳頃までに感染することが多く、大人になってからの感染は比較的少ないとし、中学生を対象にしたピロリ菌検査の実施を要望していたのだとか。
自分がピロリ菌に感染しているのか、いないのかは自覚症状がないので、検査をしないとわからない…。検査をして、感染を早期発見することにより、治療も早く行うことができます。ピロリ菌への感染だけ調べたい場合は全額自己負担ですが、胃カメラにより胃潰瘍や慢性胃炎などの診断をされている場合は、保険が適応されるようなので、心当たりのある人は、自分が該当するかどうか医師に尋ねるといいかもしれません。
ピロリ菌に感染していたらどう治療するの?
ウェブサイト「いしゃまち」によると、ピロリ菌の検査法は6つあり、もしピロリ菌に感染しているとわかったら、内服薬によるピロリ菌の除菌をするのが一般的だそう。医者の指示通りに薬を飲めば、7~8割の人は除菌に成功するのだとか。もし、薬を飲み忘れた、または薬を指示通り飲んでも体質により除菌できなかった人は、違う薬で再除菌を行います。
そして、再除菌をしてもピロリ菌が除菌できなかった場合は、再々除菌という形になるのですが、再々除菌は自由診療。つまり、保険が適応されなくなってしまい、治療費を全額自費で支払わなくてはいけないのだとか。全額自費になると、かなり高額になってしまうので、薬の飲み忘れで、ピロリ菌の除菌に失敗し続け再々除菌に…というケースにならないよう注意したいところ。
1994年にWHO(世界保健機関)がピロリ菌を「確実な発がん因子」と認定するほど、ピロリ菌は胃がんと密接に関係していると言われています。胃は男女ともに常に患者数の上位にくるがんの部位。早期発見し、適切な治療を行うことで、将来胃がんになるリスクを少しでも減らしましょう。
(文・山本健太郎/考務店)
ピロリ菌に感染したら?治療と除菌の方法とは | いしゃまち