堀田茜が主演を務めるドラマNEXT「好きなオトコと別れたい」(毎週水曜夜0:30-1:00ほか、テレ東系ほか)が、ついに6月19日(水)放送で最終回を迎える。
本作は、藤緒あいによる同名漫画が原作。将来を考えるアラサー女性会社員・白石郁子(堀田)が、別れたくても別れられないダメ男の魅力にハマり、その沼から抜け出せないループな恋を繰り広げる姿を描く。
また、定職に就かず郁子の家に居候するヒモ男だが、憎めない性格の黒川浩次を毎熊克哉、郁子の会社の後輩で郁子に猛アタックするハイスペック年下イケメン・青山大翔をFANTASTICSの木村慧人、同じく郁子の会社の後輩で青山の恋をあおる黄田ナナを紺野彩夏、そんなナナの彼氏でフリーターのバンドマン・イチを超特急の柏木悠が演じている。
このたび、WEBザテレビジョンでは同作のプロデューサー・山鹿達也氏にインタビューを実施。キャスト陣のオファー理由や、撮影の裏話などについて聞いた。
■“ダメ男だけど心根は優しい”っていう役どころをしっかり演じられるのは彼しかいないと思った
――初めに、本作を制作することになったきっかけや経緯を教えてください。
この「ドラマNEXT」という枠が女性視聴者をターゲットにしている枠なので、ラブコメを探していたんです。そんなときに大映テレビの女性プロデューサーから提案をいただいて、企画書と原作を読んでみたら、とても面白くて。
いろんなラブコメがある中で、「好きだけどダメな男にハマってしまった」というのが非常にリアルに描かれていて、これをドラマにしたら面白いんじゃないかなと思ったので制作することになりました。
――今作で主演を務めている堀田さんと、ダメ男・浩次を演じている毎熊さんを起用した理由を教えてください。
まず堀田さんは、今回の主人公である郁子がアラサーということで、堀田さん自身も同じアラサーですし、バラエティーなどで見せる人懐っこい性格や自然体な姿、いろんなことに体当たりで挑む度胸の良さなどがすてきだなと思っていて。
また、「私と夫と夫の彼氏」(2023年テレ東ほか)を見たときに、繊細なお芝居も上手な方だなと感じたので、今回の役にハマるんじゃないかと思ってオファーさせていただきました。
一番難しかったのが、“愛すべきダメ男”浩次のキャスティングなんですけど、僕が5年くらい前に「Iターン」(2019年テレ東系ほか)というドラマで毎熊さんとご一緒して、すごく“いい男”だったんですね。
ちょうど大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合ほか)や「セクシー田中さん」(2023年日本テレビ系)などにも出演されていて勢いもありますし、浩次の“ダメ男だけど心根は優しい”っていう役どころをしっかり演じられるのは彼しかいないと思いました。
それでオファーさせていただいたら、事務所も「これは毎熊の役だ」と言ってくださって。また、原作の藤緒先生も「こんなにピッタリな二人はいない」とすごく喜んでくださったので、とてもホッとしました。
■木村さんは現場でもとてもまじめで、スタッフからも非常にかわいがられていました
――郁子の会社の後輩・青山くんを演じている木村さんも“ハイスペック年下イケメン”という役がすごく似合っていると思いましたが、キャスティングはすぐに決まったのでしょうか?
実は、原作では青山くんはもう少し年齢が上なんです。“年上のダメ男”と“年上のハイスペックイケメン”どっちがいいのか?…といった内容なんですけど、原作の藤緒先生や出版社の方といろいろ話をさせていただき、ドラマでは“年上のダメ男”と“年下のハイスペックイケメン”どっちがいいのか?…という風にした方が、アラサー女子が悩む様に共感できるんじゃないか、という話になりまして。藤緒先生からも「いいですよ」と快く言っていただいたので、ドラマでは年下の設定になりました。
そんな中で、浩次と対極にあって、また毎熊さんとも対極にある役者さんを探していったときに木村さんの名前が上がって。木村さんはFANTASTICSのグループの中でも最年少ということで、とてもかわいがられているイメージがあったので、青山くんの“ハイスペックの中にあるかわいいキャラ”と合うんじゃないかと思ってオファーさせていただきました。木村さんは現場でもとてもまじめで、スタッフからも非常にかわいがられていましたね。
■本当にお二人仲がいいので、その空気感が画面にも出ているんじゃないかな
――実際に現場で皆さんの演技をご覧になっていかがでしたか?
ドラマで一番大事にしていたのは、郁子と浩次の距離感というか、空気感なんです。もう最初から二人は“腐れ縁”というか、くっついたり離れたりしていてお互いにいろんなことが分かっている、というところから物語がスタートしていくので、そんな二人の距離感がとても大事だなと思っていました。
今回、堀田さんと毎熊さんは初共演でしたが、ご本人たちもそこは意識されていたようで、衣装合わせなどでお二人が会ったときにはギクシャクした感じが全くなく、すんなり入られていて。
クランクインして最初の撮影がお二人のラブシーンだったのですが、全然気負いせず、とても自然体だったので、よかったなと思いましたしすごく手応えを感じました。本当にお二人仲がいいので、その空気感が画面にも出ているんじゃないかなと思います。
――最初の撮影が堀田さんと毎熊さんのラブシーンだったということで、本作ではお二人のラブシーンが多く登場していますが、特に苦労などなく撮影できたのでしょうか?
そうですね。もちろんテレビで放送するものなので、あまり過激にはできないのですが、演じる前にお二人と打ち合わせをして、参考になる韓流ドラマのシーンを見ながら「こんな感じのイメージにしたい」というのを伝えて、撮影していきました。特に問題なく、とてもスムーズに撮影できたと思います。
■それを自然にできる人ってなかなかいないなって
――イチ役の柏木さんはバンドマンの役ということでギターを弾くシーンが多いですが、本作のために練習されたのでしょうか?
練習されていましたね。ドラマで演奏しているアコースティックギターは、昔触ったことがあるけれど久しく触れていなかったらしく、結構熱心に練習されていました。本番は早朝の公園で撮影したのですが、とても上手で本当にすごかったです。
――毎熊さんも柏木さんのギターの腕前を絶賛されていましたよね。
そうなんです。“売れないバンドマン”という役なので、もう少しコメディーチックにやるかと思ったら、そんなことなく本当に上手で、思わずみんなで拍手していました(笑)。
裏でたくさん練習されていたみたいですが、恐らくもともと持っている才能もあるんじゃないですかね。センスが良いんだと思います。
イチは浩次とは違うタイプのダメ男で、お金がないのに「牛丼食べようよ~ナナのおごりで」とニコニコしながら言って、ご飯を食べさせてもらうっていう役なんですけど、それを自然にできる人ってなかなかいないなって。そこは、柏木さんの天性の良さなのかなと思いますね。
――イチもそうですが、浩次の“ダメ男だけど憎めない感じ”が絶妙だなと感じていて、一歩間違えると視聴者に嫌われてしまいそうな難しい役どころだと思いますが、浩次を愛されるキャラクターにするために意識した部分などはありますか?
そこはもう全て毎熊さんですかね。彼って非常に素がまじめで優しいんですよね。相手のことをすごく考えて、現場でも裏でスタッフに気を遣っていたり…。
そういう部分が根底にあって浩次を演じられていたので、嫌みな感じに見えなかったんじゃないかな。監督も細かく演技指導したりしていたわけではなく、毎熊さんにゆだねていた感じだと思います。
■今思うと共演シーンを作っておけばよかったなと(笑)
――本作で度々登場する妄想シーンが毎回コミカルで面白いと話題になっていますが、妄想シーンなどでこだわった部分を教えていただけますか?
台本を作っている段階で脚本の川崎(いづみ)さんは「ここは結構はねるところですね」って考えながら書いていましたし、僕たちは現場でそれをこえられるように、とにかく遊び心を持ってやっていましたね。
堀田さんたちもすごくノリノリでやってくれていましたので、そういった雰囲気がうまく伝わったんじゃないかなと思います。
第2話(4/10放送)で郁子がダメな彼氏にいろいろされているんじゃないかと青山が妄想するシーンがあって、それが最初の妄想シーンの撮影だったのですが、監督が郁子のおでこにたくあんを付けることにこだわっていたんです(笑)。
でもなかなかうまく張り付かないから堀田さんが「もう1回やらせてください!」って言ったりして(笑)。とてもノリノリで楽しんでやられていましたね。
クランクインして2日目か3日目くらいだったのですが、早めにそういう楽しいシーンをやったことによって現場の雰囲気も和みましたし、“この作品はこれだけふり幅があっていいんだ”ということが共通認識されて、“みんなで面白いものを作っていこう”という風になったシーンでもありました。
――木村さんと柏木さんは先日インスタライブをやられていたそうですが、このドラマがきっかけで仲良くなったのでしょうか?
そうですね。お二人はドラマで共演シーンがなかったんですよ。もちろん現場で会ったりしますし、取材や記者会見などでは一緒だったりしたので、そういうところで交流を深めていたみたいで。
やっぱり二人とも俳優でありながらアーティストとしても活動されているので、意気投合したんじゃないですかね。この間のインスタライブもすごく盛り上がったみたいで、今思うと共演シーンを作っておけばよかったなと(笑)。ちょっと後悔しています(笑)。
――最後に、最終回に向けての見どころや注目してほしい部分を教えてください。
僕がこの企画で一番面白いなと思ったのはタイトルなんですね。「好きなオトコと別れたい」っていう、頭ではわかるけど、どっちなんだ…ってモヤモヤしちゃいそうな感じが秀逸なタイトルだと思っていて。
タイトルは「好きなオトコと別れたい」だけど、果たして別れられるのか?というところが最終回の一番の見どころかなと思います。恋愛などが多様化してきている中で、最終的に郁子はどちらを選ぶのか、楽しみながら見ていただきつつ、ナナちゃんとイチの恋愛もどうなるのか、見届けてほしいなと思います。
※川崎いづみの「崎」は正式には「たつざき」
配信: WEBザテレビジョン
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