何歳から・どんなことで悩むのか?
次に、転職情報メディア「ポジサラ」が30代の男女59人を対象に行われたアンケート調査を参照してみていきましょう。「30代のキャリアに関する悩みの調査」の結果によれば、30代女性の悩みとして多くあがったものは以下のとおりでした。
第1位:仕事と結婚・育児・家庭の両立
第2位:将来のキャリアに関する漠然とした不安
第3位(同率):年収アップやキャリアアップの方法が分からない
ひとつ前の項で紹介したアンケート結果と比べると年収に関する悩みが上位に上がってきているものの、おおむね同じような結果となっています。20代、30代、40代とキャリアに関する悩みを持ち続けているのでしょう。
キャリアに関して悩み始める年齢としては、人によって差はありますが20代中ごろからというケースが多いとカウンセリング経験から感じています。ひと昔前は20代で結婚出産を迎える女性も多く、悩む前に子育てに突入してしまうケースが多かったところが、最近は30代、40代での結婚出産が増え、20代で「分からないが故の悩み」としてキャリア問題を捉える人が増えています。
悩みに対してどうアプローチする?
悩みに対してどうアプローチする?
カウンセリング時に提案するアプローチとしては、主に2種類あります。ひとつはロールモデルや仲間を見つけること、もうひとつは自分の中でのスタンスや優先順位を決めておいていつでも決断できるようにしておこうと決めることです。
キャリアに悩む女性の中には、自身に似た境遇の仲間やお手本としたい先輩がいない人が多くいます。社内で女性従業員だけの交流会を開いてみたり、同業種で働く仲間と交流する機会を持ったりということを積極的に行って、ロールモデルとなる女性を見つけてみてください。
もうひとつ、自分の中で何を大切にしたいかを明確にしておいたり、身近な人と話し合っておいたりすることもお勧めしています。子育てと仕事をてんびんにかけなければならないときはどちらを優先したいか。年収とやりがいが一致しないときにどちらを優先したいか。そしてパートナーがいる人はその意見をパートナーと共有できているか。両方を選ぶことができる環境や状況が理想ですし、それに向けて工夫することも大切ですが、いざというときの自身のスタンスを早いうちから決めておけると、迷いがなくなり強く生きることができます。
自分が大切にしたいものや価値観が具体的になったら、あとは「決断するときが来たら決断しよう」と心に決めてください。先が見えない不安、分からないが故の不安はその時がくるまでモヤモヤしつづけてしまいますが「その時にまた考えよう」と決めることで、モヤモヤをある程度晴らすことができます。
コロナ禍を機にリモートワークや在宅勤務を取り入れる企業も増え、子育てや介護などをしながら働く人にとって働きやすい環境が以前より整ってきています。子育てしながらもキャリアを諦めたくない女性にとっては、例えばパートナーと週の半分ずつ在宅勤務を取り入れることで、子どもが小さいうちからフルタイム勤務がかなうようなこともあるでしょう。
実際の状況は企業により異なりますが、自身がどのような働き方をしたいかが明確になっていれば、それを意思表示することで家庭と仕事の両立の道が新たに開けてくる可能性は大いにあります。まずはぜひ、キャリアに関する悩みから自身の価値観を洗い出してみてください。
(まっきー)
配信: LASISA
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