理由(2)緑色を鮮やかに発色させるため
オクラは緑黄色野菜で、緑色は葉緑素(クロロフィル)と呼ばれる色素によるもの。クロロフィルは熱に弱く退色(色が悪くなる)しやすいのですが、塩にはクロロフィルの色素を安定させて退色を防ぐ働きがあるので、塩を加えてゆでると鮮やかな緑色に仕上がります。オクラの場合は、板ずりの塩がついたまま、沸騰した湯に入れ、ゆでればOK。なお、クロロフィルは高温の状態にしておくと変色しやすいため、鮮やかな緑色になったら引き上げ、手早く水にくぐらせると色止めになり、美しい緑色を保つことができます。ほうれん草やブロッコリーもクロロフィルが豊富な緑黄色野菜なので、ゆでる際に塩を加えると鮮やかな緑色に仕上がります。
▲ゆでたオクラをトマトと一緒に出汁しょうゆで一晩浸した「出汁浸し」は、味のしみこみを実感できる料理の一つ。
理由(3)表面に細かな傷がつき、味がしみこみやすくなる
板ずりや塩でこする最後のメリットは、料理をしたときの味のしみこみやすさ。うぶ毛取れて表面が滑らかになるだけでなく、表皮の組織に目には見えにくい細かな傷がつき、味がなじみやすくなります。細かく刻んで食べる場合はメリットを感じにくいのですが、丸ごと1本使った“出汁(だし)浸し”や豚肉巻き、炒めものなどの料理する場合はご参考に。
配信: LASISA