「私って話ベタで・・・」
と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
トークはコミュニケーションの基本ですが、話ベタでも大丈夫?
今回は、コミュニケーションのコツを佐藤城人さまに伺いました。
「伝える」より「伝わる」を意識して
次の言葉から受けるニュアンスの違いは何だと思いますか?
(1)伝える話し方
(2)伝わる話し方
「伝える話し方」は、自分の意見や情報を相手に話すこと。
「伝わる話し方」は相手とお互いに話をしながら、わからない点は確認し合し意思の疎通を図る意味合いが含まれます。
コミュニケーションスキルとして、「伝わる話し方」を意識することが大切です。
TPOによっても変わる。今求められているものは?
コミュニケーションをとる際、相手があなたに求めるものはどんなことだと思いますか?
例えば、会議の場面では、議題に対する自分の考えやアイデアを伝えること。
お互いに伝え合い意見を一致させること。
同窓会ではお互いに楽しいひとときを過ごすこと、意見を一致させることではなくお互いに楽しいひとときを過ごすことではないでしょうか。
このように、コミュニケーションには、場面に応じて求められるものは異なります。
場面に合わせ、「自分が伝えたいこと」よりも、「お互いに必要なことを伝え合う」をテーマとした方がコミュニケーションが取りやすくなります。
コミュニケーションは、お互いの関係性の上に成り立ちます。
コミュニケーションというと、
・うまく話さないといけない。
・この場を盛り上げなきゃ!
と自分が話を回す側と捉えがちですがそんなことはありません。
大事なことは会話をしているのは「自分」や「相手」ではなく、「私たち」ということです。
コミュニケーションの基本は「お互いの関係性」なのです。
話ベタ=コミュニケーションが苦手、ではない!「聴く力」の重要性
コミュニケーションスキルが無いとに悩む人の多くは、自分が「話しべた」だと感じています。
しかしながら実はコミュニケーションスキルを磨く際に必要なことは「聴く」ことが大切と言われています。
では「聞く」と「聴く」の違いはなんでしょうか?
聞く・・音や声などを自然に耳に入ってくること
聴く・・理解しようと進んで耳を傾けること
という違いがあります。
まずは、相手の話を聞いている姿勢が大切です。
それだけでも「ちゃんと話を聞いてくれているんだな」と相手は感じるでしょう。
さらに、うなずいたり、笑ったり、重要なことは同じ言葉を繰り返すなどすることにより、「聴く」ことにつながります。
このように「聴く」ことで意思の疎通がはかれ、情報共有がスムーズに行えることがコミュニケーションの1つとなるのです。
聴き上手になるための3つのポイント
最後に聴き上手になるためのポイントは、次の3点だけです。
(1)自分のことを重ねない(被せない)
(2)相談されたら気持ちを受け止める
(3)憶測深読みをしない
(1)自分のことを重ねない
例えば、あなたの友人が「春休みに家族で〇〇に旅行に行ってきたよ」と語ったとします。
それにもかかわらず、「僕も〇〇に行ったことがあるんだ。あそこは△△でね、□□でさ」のように自分の話を被せたら、相手はどのように思うでしょう?
これは相手の会話を奪ってしまう行為になってしまいます。
「どうだったの?もう少し聴かせて」と相手の話をより深く聞こうとする姿勢の方がはるかに良好な関係となりますよね。
(2)相談されたら気持ちを受け止める
あなたの友人が、アドバイスを求めてきました。
この場合、相手が知らない情報を提供することは問題ありません。
そうではなく、「〇〇した方がいい」「ここがダメだから、△△した方がいい」などのようにアドバイスをしたとします。
もちろん相手は聞いてくれることでしょう。
ただ、「ここがダメ」というニュアンスも含まれてしまうと、「ダメ出しされた」と思う人もいます。
相手があなたに「アドバイスが欲しい」というときは、「このモヤモヤを聴いて欲しい。受け止めて欲しい」ときの方が多いです。
相手は今どんな気持ちでどんな状況にいるのかをしっかりと聴くことが大切です。
(3)憶測深読みをしない
相手が話している際に、自分の解釈で何かを伝えてしまうと誤解が生じる原因のひとつとなります。
その場合は憶測・深読みで自分の意見を先走って話すのではなく、そのまま相手に再度確認することが大切です。
「もう少し聴かせて」や「〇〇だったの?」と言うように、相手の気持ちがどの方向に向かっているのかをしっかりと聴くことが大切です。
コミュニケーションスキルを向上させるためには
「上手く話すよりも上手く引き出す。」
「心地よい関係を築く」ことが大切だと考えます。
話しベタと感じている方は、まずは「聴く」から実戦してみてはいかがでしょうか?
[執筆者]
佐藤城人
一般社団法人インナークリエイティブセラピスト協会 代表
心理カウンセラー・心理セラピスト・気功師範
[経歴]
過去にアルコール依存症を患った経験があり、それを克服する過程で40代に再度大学に入学、心理学と出会う。
各種依存症や愛着障害、摂食障害に悩む方、インナーチャイルドを抱える方など、これまで10年間で約5,000名様の悩みをサポート。
「答えはご本人の中にある」この言葉を信条とし、クライエント様の本当の思いや気持ちに焦点を当てサポートしている。
2019年、一般社団インナークリエイティブセラピスト協会を設立。
カウンセラー・セラピストの養成にも力を入れている。
インナークリエイティブセラピスト
配信: キレイ研究室
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