なお残る懸念 危険は決してゼロではない
気軽に知り合え、ときには長い付き合いとなったり、人生に影響を与える特別な存在になったりするネットの友情。情報通信技術の進歩が新たな人間関係の糸口をもたらしたを捉えれば、それを友情と呼ぶことに何ら齟齬(そご)はないのではないでしょうか。
しかしながら、ネット上での友情を築くには、いくつかの注意点があります。場合によっては大きなトラブルに発展することもあり、ネットの友情“否定派”がいなくならない根拠ともなっています。
まず、相手が本当に信頼できるかどうかをいかにして見極めるか。匿名性が高いネット上では、相手の正体や意図を見抜くのは容易ではありません。そのため、個人情報の取り扱いやプライバシーにかかわる話題には十分な注意を払う必要があります。
オンラインのコミュニケーションは基本的に文字がメインになるため、相手の表情や声のトーンを見逃しやすいという難点があります。誤解や意図しないトラブルを避けるためにも、コミュニケーションの明確化や配慮が求められます。
仮にSNS上で距離の縮められそうな相手に出会った場合、その人の過去の投稿をできるだけ古くまでさかのぼってチェックしてみるのがおすすめです。
別の誰かに誹謗中傷や罵詈(ばり)雑言を吐いていないか、著作権法に触れるような画像・動画を安易にアップしていないか、普段からの言葉遣いはどうかなど、使用歴の長いアカウントであるほどその人の人となりを知ることができます。
少しでもおかしいと感じたら、失礼のない振る舞いに留意しつつ距離を置く判断力も必要です。
※ ※ ※
ネットの関係イコール全て危険なものとされる時代は終わり、そこでの出会いが長きにわたる友情や生涯のパートナーにつながることが当たり前になった現代。だからこそ、自身の価値観やモラルに合う相手をこそ大切にすることが求められます。
(岩井なな)
配信: LASISA
関連記事: