夏におすすめの非常食!保存方法など注意点も解説

夏バテでも食べやすい非常食

暑さで食欲がないときでも、のど越しの良いものやさわやかな酸味のあるものなら食べやすいものです。夏の防災備蓄に向いているものを紹介します。

フルーツ缶

パイナップル、ミカン、グレープフルーツなどの缶詰は、食欲がないときや体調が優れない時でも喉を通りやすい非常食としておすすめです。缶詰ほどは日持ちしませんが、常温保存ができるフルーツゼリーも缶切り不要で手軽です。


引用:カルディ「サンスクイーズ グレープフルーツ」

充てん豆腐

豆乳と凝固剤のにがりをパックに充てんし、密封してから加熱処理して固める充てん豆腐は、長期保存のできるお豆腐です。そのまま冷奴にできるほか、お味噌汁の具などにも利用できます。


引用:森永「絹とうふ 国産大豆 250g×12個 [充てん豆腐]」

レトルトカレー

カレーは老若男女に人気のメニューで、濃いめの味とスパイスの香りが食欲をそそります。非常食としては、温めなくてもおいしく食べられる商品が人気です。


引用:グリコ「【常備用】温めずに食べられるカレー職人 中辛」

夏の食品の保存で注意すること

近年、35度以上の猛暑日を記録する日が増えています。食品の保存方法はこれまで通りでいいのでしょうか。常温の目安についても紹介します。

夏は冷蔵庫に入れたほうがいい非常食もある?

災害用非常食、保存食として作られている食品の多くは、常温で長期保存ができるように作られています。常温保存可と記載されているものは、基本的には夏でも冷蔵庫に入れる必要はありません。

ただし、最近では日常的に食べている食品を買い足しながら、防災備蓄として災害時には非常食としても活用する「ローリングストック」が推奨されています。食品の中には開封前は常温保存ができても、開封後は冷蔵保存がよいとされているものがあるので、注意しましょう。

開封後のお好み焼き粉やホットケーキミックスなどの粉類は、常温で保存するとダニが繁殖するおそれがあり、冷蔵庫に保管の上、早めに使い切るのが望ましいとされています。

醤油や味噌などの調味料の中にも、開封後は冷蔵庫に保管したほうがよい商品がありますし、開封後の食パンなどは、高温多湿な環境に置いておくと数日でカビが発生することがあるので注意が必要です。食パンなどは、冷蔵庫に入れるとでんぷん質が変化して固くなってしまうため、食べきれない分は冷凍保存をしましょう。

また、凍らせることのできるペットボトル飲料やパウチ飲料を冷凍庫に備えておくと、保冷剤代わりとして使ったあとに飲むことができて、暑さ対策・熱中症対策としても役立ちます。


引用:コカ・コーラ「アクエリアスハンディパック」

車内に置いたまま保存は危険?

夏の締め切った車内は1時間で50度を超え、ダッシュボードは70度以上の高温になるという報告があります。常温保存ができる非常食であっても、車に積んだままにした場合、品質は保証されないと考えたほうがよいでしょう。

包装に特殊な断熱材を使用した、車載用の非常食も販売されていますが、災害時の車中避難には、熱中症だけでなくエコノミー症候群のリスクもあるので、十分に注意してください。

また、調理や食事の際などに使うガスボンベ、ライター、消毒用アルコールなども、夏の暑い車内に積んだままにすると爆発や発火のおそれがあり、危険です。

何度までなら常温保存と言える?

日本産業規格(JIS)では試験場所の標準状態を定めており、「5~35度の範囲を常温という」としています。ただし、厚生労働省では常温の範囲を「一般的には外気温を超えない範囲」としています。外気温が高くても室内の直射日光が当たらない場所に保存できるのであれば、基本的には常温保存でよいと言えるでしょう。直射日光の当たる場所や、高温多湿な場所に保存した場合にはこの限りではなく、品質が変化するおそれがある点に注意が必要です。

まとめ

夏の非常食と、保存の注意点をまとめました。災害時には食べものが貴重ですが、体調を崩さないためにも食中毒の予防を心がけてください。また、できるだけ栄養をとり体力を養って、夏バテや熱中症にならないよう過ごしましょう。

<執筆者プロフィル>

山見美穂子

フリーライター

岩手県釜石市生まれ。幼いころ両親から聞いた「津波てんでんこ」の場所は、高台の神社でした。

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