「夏至」はどのような日?
「二十四節気(にじゅうしせっき)」は昔から使われている季節を表す言葉で、1年を24等分したものです。「夏至(げし)」は二十四節気の一つで、立春から数えて10番目、季節は夏になります。
夏至は、太陽の通り道である黄道(おうどう)上で最も北にある点、「夏至点」に太陽の中心が到達したときのこと。そのため夏至の日付は固定されておらず、毎年「国立天文台」によって計算され、2月1日に発表されています。2024年の夏至は6月21日日本標準時間の5時50分になり、次の節気となる「小暑(しょうしょ)」が訪れるまでの6月21日〜7月5日が夏至の期間です。
この期間は1年で最も太陽の位置が高くなり、昼の時間がいちばん長い日となります。ただ、これは北半球だけの話。私たちが住む日本とは季節が真逆の南半球では、夏至は冬至(とうじ)に該当し、1年で最も昼の時間が短い日となります。これは地球の自転軸(地軸)が公転面に垂直な直線に対して約23.4度傾いているため、北半球と南半球では太陽の光を受ける量が逆になるためです。
夏至に食べるといい食べ物って?
夏至に食べるといい食べ物って?
夏至の真逆となる「冬至(とうじ)」には、かぼちゃや小豆粥など、食べると厄祓いできるとされるものがたくさんありますが、夏至には全国的に食べられている行事食がありません。それは陰陽五行説では夏至の日に太陽のエネルギーが最も高まると考えられているため、栄養豊富な食べ物をいただくことで厄祓いをする必要がないからなのかもしれません。それでも地域によっては夏至の日に食べるといいとされる食べ物があるので、紹介していきます。
関東地方では、収穫したばかりの小麦ともち米を半量ずつ使った「小麦餅」を作っていただきます。この時期に小麦の収穫と田植えが終わることが多く、神様へ感謝の気持ちを伝えるとともに、豊作を祈ってお供えしたことが起源と言われています。奈良県でも、同じように小麦ともち米を使ったお餅「半夏生(はんげしょう)」を作る風習があります。
大阪を中心に関西地方では夏至の頃にタコを食べる習慣があります。この頃は田植えが終わるため、タコの吸盤のように稲がしっかり根付き、豊作になってほしいという願いが込められているようです。また、栄養豊富なタコを食べることで、田植えで疲れた体を癒やす意味も込められています。
香川県では夏至の期間にある「半夏生」と呼ばれる期間に、農家が農作業を手伝ってくれた人に対し、その年に収穫された小麦で打ったうどんを振る舞う風習があります。半夏生の期間の始まりが7月2日になることが多いため、「本場さぬきうどん協同組合」では7月2日を「うどんの日」と定め、小麦が収穫できたことへの感謝とさぬきうどんの発展を祈願して献麺式を行っています。
夏至の日に世界中で行われている行事とは?
配信: LASISA