【二十四節気】6月21日「夏至」ってどんな日? 世界中で夏至祭りが行われる理由とは?

【二十四節気】6月21日「夏至」ってどんな日? 世界中で夏至祭りが行われる理由とは?

夏至の日に世界中で行われている行事とは?

 太古の昔から人々は太陽を信仰の対象として崇めていました。なぜなら、太陽がなければ作物は育たず、生きてはいけないからです。太陽の動きを観察していた人々は早い時点で夏至の存在に気づいていたようです。それを裏付けるのが、古代に造られた建造物。紀元前3000〜1500造営されたと考えられるストーンヘンジは夏至の日の太陽の登る位置を正確に把握して造られていると言われていますし、古代エジプトのピラミッドやスフィンクスも、太陽が正面に沈むように設計されています。

 日本で最も有名な夏至の行事といえば、三重県伊勢市の「二見興玉神社」で行われる「夏至祭(げしさい)」です。二見興玉神社の夫婦岩付近は古くから神聖な場所とされ、伊勢神宮を参拝する人たちが浜辺で汐水を浴び、心身を清める場所とされていました。夏至祭では夫婦岩から登る朝日を浴びながら禊が行われます。

 暗い冬が長く続く北欧スウェーデンでは、太陽のエネルギーが強くなる夏至の日は特別な日です。毎年6月19日〜25日の間で夏至に最も近い土曜と前日の2日間が祝日となり、国をあげて大きなお祭りが行われます。この祭りは、キリスト教に由来した洗礼者ヨハネを祝う行事と、それ以前からある夏至のお祭りが一緒になったと考えられています。当日は、男女問わず草花で作った花冠をかぶります。また、「ミッドソンマルストング」と呼ばれる葉っぱや白樺で作ったシンボルを立て、その周りを伝統的な歌をうたいながら踊ってパーティーをします。

 同じように洗礼者ヨハネのお祭りと夏至が結びついた行事はヨーロッパの至るところで見られます。ドイツの一部の地域で夏至の日の付近に行われる祭では、伝統衣装を着た人々が踊った後に焚き火に火を灯す行事が行われます。この火には、厄除けなどの意味があるとともに、夏至を境に太陽のエネルギーが弱くなることを防ぐためだと考えられています。

 リトアニアでは夏至の日の夜には不思議なことが起こると信じられており、それにちなんだ習慣が今も続いています。この晩に摘まれたハーブは薬効が高いと信じられ、女性たちは夜に森までハーブ摘みに出かけるそう。花冠で占いをしたり、特別な力を持つとされる夜露を飲ませて乳の出が良くなるように祈ったり、焚き火で空高くまで光を灯して秋の豊作を祈願します。

 古代の昔より、何か特別なパワーがあると信じられてきた夏至の日。特別なことはせずとも、太陽が私たちを照らしてくれていることを感謝してもいいのかもしれません。

(水浦裕美)

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