へそ(@heso_comic)さんはX(旧Twitter) やブログを中心にエッセイ漫画を公開している。アラフィフの著者が日常の出来事をコミカルに描き、くすっと笑える作品がそろう。本作は幼少期に祖母が中腰で用を足す姿に衝撃を受け、明治生まれの祖母が当時のトイレ事情を告白するエピソードだ。本作が誕生した経緯やトイレ事情の余談などについて、へそ(@heso_comic)さんにインタビューした。
――本作を描こうと思ったきっかけについて、教えてください。
「トイレ内で足腰の筋トレする」というネット記事を見かけて、「そういえば自分も出先のトイレで用を足すときは便座に尻を付けないよう中腰の姿勢でしているな」からの「中腰といえば明治生まれの亡き祖母も中腰でしていたな」という連想ゲームで。祖母のオリジナルなのか、はたまた一般的な習慣だったのか読者に問いかける気持ちで描いてみました。
――中腰で用を足すとは驚きですね!その事実を知ったときのへそさんのお気持ちをお聞かせください。
「えっ!?」の一言ですね。続いて子ども心に「体幹がいいな」「中腰で描く放物線は前へ飛ぶのか?後ろへ飛ぶのか?」など。祖母は当時70代で、小学生の孫娘を荷台に乗せて着物で自転車をシャンシャン漕いでたので、小柄ながら安定した下半身の持ち主だったと思います。あらためて考えると、無防備なところを不意に野生動物などに襲い掛かられた場合、中腰だと咄嗟に動けてリスクヘッジ的にいいですね。そもそも野ションするなって話ですが。
――その他、祖母から聞いて驚愕した昔の習慣などはありますか?
祖母が子どものころ、祖母の母(私から見ると曽祖母)は肺が悪く、床に伏しがちだったそうで。ある日、病床の母から「ナメクジを捕ってきて食べさせてくれ」と頼まれ、泣く泣くナメクジを採取して生のまま食べさせたそうです…ギャーース!ググったところそういう民間療法があったようで、「逆にナメクジの寄生虫が曽祖母の命を縮めたのでは」と思ったり思わなかったり…。因みに祖母は尋常小学校を卒業後に奉公に出てた人で。当時の地方の貧家ではあるあるだったのかもしれませんが、「奉公」って時代劇でしか聞かないワードだったのでこれまたショックでした。
――本作以外にトイレ事情に関する余談があれば、お聞かせください。
子どものころ、実家のトイレがボットン便所で。夏場に自室のある2階のトイレに入ると、便器の奥底からガッツのある巨大ウジ虫がゾロゾロと這い上がってくるのが悪夢でした。ウジ虫の成長段階で2種類あって、白っぽいのはまだしもなんですが、さらに一回り大きい蛹化した真っ黒いのが追い迫ってくるさまはまさに地獄絵図でしたね…。しかも、うっかりその地獄の便器に片脚はまって大号泣してるところを祖父に引っ張り上げてもらったのはいい思い出です。
――最後に、読者の方にメッセージお願いします。
私は生まれつき目に持病があり、過去に何度も手術をしています。そんな私が絵日記ブログと出合い、「こういう自己表現の仕方もあるんだ、目の健康寿命があるうちにトライしてみたい!」という気持ちになり、アラフィフで絵日記ブログを描き始めました。おかげさまで少しずつ読んでくださる方も増え、今ではこうして掲載のお声がけをいただくまでに成長しました(笑)。読後にフッと小笑いしていただけたら大喜びです。今回ご縁のあった皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
日本のトイレ習慣は昔と比べるとだいぶ変わったようだ。へそさんの作品は日常の出来事をアラフィフの視点で描かれているのも魅力のひとつだろう。どれも短編でサクッと読めるので、気になる人はぜひ読んでみて!
取材協力:へそ(@heso_comic)
配信: Walkerplus
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