次の恋に進みたい…未練を断ち切りたい
出会いと別れの季節とされる3月が過ぎ去り、夏本番を前に、世の男女たちは新たな出会いを探しているのではないでしょうか? 中には、別れた相手のことを引きずってしまっているなんて人もいるのでは…。
新たな恋を引き寄せて、前向きに進んでいくためには、過去の恋愛の清算が必須なのではないでしょうか。本記事では、失恋によって受けるダメージ・未練まで、専門家の解説を交えながら、分かりやすく紐解いていくので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
今回、失恋について、心理学の立場から解説してくれるのは、摂南大学の経営学部経営学科准教授(心理学博士)の牧野幸志さんです。
牧野さんが実施した「恋愛関係における別れに関する研究」(牧野,2013)(対象者:148名:男性100名、女性48名、年齢幅18〜26歳)によると、牧野さん:「恋愛関係において、少なくともどちらかが別れたいという気持ちを持っています。双方が別れたいときには問題がありません。どちらかが別れたい、他方は別れたくないときに、葛藤となるのです。大学生を対象にした調査で、恋愛経験があり、その中で別れ話を経験したことがある大学生は約85%でした。そのうち、自分が別れたいという立場で話をしたが、話し合い後に関係が修復し、別れ話後3カ月経っても関係を継続していた男女は6.5%でした(牧野, 2013)」
「逆に、別れを切り出された立場で、対処方略を使用して,関係が修復した人は約12%でした(牧野, 2014)。この場合には、相手を説得したり、相手の気分を良くしたりするよりも、単に一方的に関係を続けることを懇願する方法(関係維持懇願方略)が効果的でした(牧野, 2014)。ただし、どちらかが別れを切り出した場合、多くの場合、別れが成立することが多いです」と解説しています。
男女共通・失恋のストレスについて
恋愛関係は、特に青年期においては喜びや楽しみを与えてくれる人間関係です。しかし、失恋は多くの人にとって非常にストレスフルな出来事であると研究結果でも分かっています。失恋は,心理学の分野においては関係崩壊の1 つとされ、愛情・依存の対象を失う「対象喪失」を導く現象とも言われています。
カップルとなれば、人によっては別れを経験する人も数知れないと思います。では、そんな“別れ”において、最もダメージを受けるのはどのような立場の時なのか? 以下の4パターンを通して、見ていきましょう。
パターン1:告白をされて付き合った→(のに)相手から振られた
パターン2:告白をされて付き合った→自分から振った
パターン3:告白をして付き合った→相手から振られた
パターン4:告白をして付き合った→(のに)自分から振った
さて、あなたはどのパターンの経験がありますか? 恋愛の別れのダメージはどのパターンでもキツいことに変わりはありませんが、告白の立場と別れの立場によって違うのでしょうか?
牧野さん:「一般的に、『振られた』側より『振った』側の方がダメージは小さいです。上のパターンで言うとパターン2とパターン4になります。このとき、パターン4は自分から告白したのに自分から別れたいと言っています。それでも、自分へのダメージは少ないのです。なぜかというと、自分が行動して付き合った、そして、自分が行動して別れたという主導権を持つためです(牧野, 2006) 」
「さらに逆に、上の中でいちばん失恋のダメージを受けるのは、パターン1の相手から告白されたのに、相手から別れたいと言われた場合です。この場合、自分にコントロールできるものが何もありません。ただし、交際期間が長いと告白の立場よりも、付き合っていたときの感情が影響します。つまり、どちらがより好きだったかということですね(牧野,2006)」
未練を残さない別れ
配信: LASISA