「新NISA」や「FIRE」などお金にまつわる情報が氾濫し、自分はどうすべきか戸惑っている人は多い。そんななか、お金の勉強をすることなく大人になった人のために、“小さな一歩”を踏み出すためのお助け本「お金の不安と真剣に向き合ったら人生のモヤモヤがはれました!」(発行:はちみつコミックエッセイ)が出版された。そこで今回、本書の原案・監修を担当した横川楓さんを取材。お金の不安と向き合うためのアレコレを聞いた。
■「制度を使うと暮らしが変るんだ」という実感を子どもの頃に体験
――本書のテーマについて教えてください。
【横川楓】家計、キャッシュレス、投資、将来の不安などなど、さまざまなお金に関するモヤモヤを抱えた4人の女性と一緒に、そのモヤモヤを少しずつ解消していこう!という内容になっています。
登場人物として出てくるのは女性なので女性はもちろん、それぞれのお金の悩み自体は男女関係のないものになっているので、お金のことに不安はあるけど、どうしたらいいのかわからない…という方にはみんな読んでいただきたいです。
――本書で取り上げられているお金にまつわる不安や課題について、描写をする上で工夫した点があれば教えてください。
【横川楓】普段いろいろな方からお話を聞いているなかで、実際に何度か聞いたことがあるようなお金の不安を取り入れました。キャッシュレスや投資のお話をするときに、「知らないものが怖い」というのは本当によく聞く言葉なのですが、そういったよりリアルに感じていただけるようにというところを意識しています。
――横川さんがお金(投資)について興味を持った「原体験」を教えてください。
【横川楓】子どもの頃に両親が離婚し、親子3人暮らしの家から、会計事務所を経営する母方の祖父の実家に引っ越しました。庭に池がある一軒家でとても大きな家でした。しかし中学にあがるタイミングで母親が家計として独立するということで、とてもぼろいアパートで母子2人暮らしに…。そのあと高校生になるタイミングで一人親家庭などが使える制度を使い、新しくできたばかりの公営住宅に引っ越すことができました。
お金のあるなしでここまで生活が変わるんだという驚きと、制度を使うとまた暮らしが変わるんだという実感を子どもの頃に体験しました。この原体験が、お金のことに興味をもつ大きなきっかけになりました。
――この本を読むことで得られるメリットや成長はどんなものがありますか?
【横川楓】お金のことに漠然とした不安がある方ほど、まず何から考えたらいいかどうかがわかっていない方が多いはず。この本を読めば、まず何をしていけばいいかや、こういうことから考えていけばいいんだと、お金と向き合う第一歩を踏み出すことができます。漫画のページと情報のページがあり、情報のページには解説も書いてあるので、より具体的にどうしたらいいのかも知ることができます。
――本書を買った読者からの反響はどんなものがありましたか?
【横川楓】自分は〇〇と同じだった!と登場人物に自分を重ねている方が多いのが印象的でした。こういうところがある方はまずはこういうことから始めてみて!というアドバイスのページもあるので、登場人物に共感していただけるとじゃあどうしていけばいいかがわかると思います。
――最後に、読者にメッセージをお願いします。
【横川楓】最近はどこへいっても新NISAのことが話題ですが、新NISA以前に、お金のこと全然わかっていない…という人も多いはず。この本は、本当にお金のこと初心者の方に向けた本です。お金のことって難しくて、あまり考えたくない…と思っている人もいるかもしれませんが、お金の知識があったり、お金についてしっかり向き合って選択肢を増やすことができたり、トラブルに巻き込まれなくなったりします。そして、お金のことは自分で行動に移すことがとても大事。この本を読むことで、自分のお金と向き合う第一歩になればうれしいです。
取材協力:横川楓
配信: Walkerplus
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