永遠の若さを得たいと「魔法」を使う話は、グリム童話などで多く描かれてきた。今回は、猪原秀陽(@inoharahideharu)さんの創作漫画『若返る魔女』を紹介する。本作は、老婆である魔女が若返りの薬を使って、実直な青年と恋に落ちるラブストーリーである。「いい話」「心揺さぶられた」などのコメントが届くなか、猪原さんは「外見至上主義」や「年齢差別」へのアンサー漫画となったと語る。さらに、作品の着想や制作秘話についても話を聞いた。
■「外見至上主義」や「年齢差別」を問う漫画
「助けたおばあさんは、実は魔女だった」 という本作の設定について、作者の猪原秀陽さんは「街で見かけたおばあちゃんが素敵で、若い頃すごい美人だったんだろうなと思ったのがきっかけです。今思うと、『外見至上主義』や『年齢差別』などへの自分なりのアンサーみたいなものを漫画で描いてみたかったのかもしれません」と話す。また、魔女に惹かれていて、魔女の漫画も描きたかったという。
本作を描く上でこだわったポイントとして、「若返り薬をできるだけ納得できるような設定にしたり、 登場人物のいる世界を現代の日本とは違う曖昧な世界観にしたり、リアリティーに対するバランス調整にこだわりました」と振り返る。
猪原秀陽さんは、本作以外にも「We’re バッド・アニマルズ」など、人間のどうしようもない部分や善悪などで簡単に割り切れない問題をテーマとした漫画を描いている。 また漫画を描くかたわら、本の編集にも携わっており、ネット上で出会った漫画好きの古着屋さん一緒に漫画雑誌「COMIC IN THE HOLE」を作り始めた。 今後の目標について、「雑誌の制作や展覧会なども継続しつつ、商業誌への掲載を目指していきたいです。」と話す。
取材協力：猪原秀陽(@inoharahideharu)
配信： Walkerplus
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