レタスの切り口が赤く変色する理由は?
サラダやサンドイッチに欠かせないレタス。ちぎったり、切ったりしたレタスを放置していると切り口が赤く変色するのは、なぜなのでしょう。また、下ごしらえの方法として、必ずと言っていいほど「手でちぎる」と書かれていますが、包丁で切ってはいけない理由があるのでしょうか。
レタス(lettuce)の語源は、ラテン語の乳汁(lactuca)。レタスの切り口から乳白色の液汁が出てくることがあるため、“乳草(ちちくさ)”が“ちさ(ちしゃ)”に転じたとも言われています(諸説あり)。この切り口の白い液に含まれるポリフェノールと酸化酵素(ポリフェノールオキシターゼ)が空気に触れて酸化するのが、褐変(赤く変色してしまうこと)の原因です。
なお、切ったレタスを薄い塩水かレモン水(または酢水)にくぐらせて水切りをすると、酸化による褐変を遅らせることができます(長時間浸してしまうと水溶性のビタミンCやカリウムが流出してしまうので注意しましょう)。
レタスのイメージ
包丁で切りたいときは鋼(はがね)の包丁を使わない
レタスを包丁で切ると、さらに別の原因でも酸化が早まってしまいます。特に、鋼(はがね)の包丁は、包丁に含まれる鉄とレタスのポリフェノールが反応して酸化反応を強め、短時間で切り口が褐変しまいます(また、手入れが行き届いていないと鉄の匂いのような金属臭が食品に移りやすくなります)。錆びにくい特徴があるステンレスは鋼(はがね)よりも褐変しにくいと言えますが、鉄にさまざまな金属成分を加えた合金で種類も多いため全てのステンレス包丁が褐変しにくいとは言い切れません。金属を含まないセラミックの包丁で切るか、手でちぎった方が、金属が原因の褐変を避けられるため、変色しにくいと言えます。
レタスのイメージ
配信: LASISA