“つまらない”や“みっともない”など、あらゆる“ない”からコンテンツの企画・制作を行う「ない」と、京都のデザイン会社「CHAHANG」は、京都の「いけず文化」をお土産にした「裏がある京都人のいけずステッカー」を、京都市のふるさと納税返礼品として6月18日(火)より提供している。
転売対策としてふるさと納税の返礼品に
「裏がある京都人のいけずステッカー」は、「いけず文化を観光資源にする」というコンセプトのもと2023年11月に発売開始。発売初日からSNSで大きな話題となり、全国ネットを含む11本のテレビ番組をはじめ、新聞やラジオなど各メディアで取り上げられた。SNSや「ない」の問い合わせフォームでも、通販での全国展開を望む声が多数届いていたという。
しかし、「いけず文化を観光資源にする」という当初の目的を最優先に考え、購入者には京都へ足を運んでもらいたいという思いから、販売先を京都府内の店舗か京都のアンテナショップに限定していた。その結果、ステッカー目当てで京都を訪れる人もいる一方で、通販サイトやフリマアプリでの転売が横行するようになった。
そのようなタイミングで、京都市から、ふるさと納税返礼品としての「いけずステッカー」を出品しないかと提案があったそう。
転売対策として京都に貢献しながら全国流通させる方法を模索中だったため、京都市への寄付としてネット上で購入できる「返礼品」はまさに渡りに船ということで、すぐに返礼品としての提供準備に取り掛かり、今回の京都市のふるさと納税返礼品としての提供開始を迎えた。
「ない」では、「裏がある京都人のいけずステッカー」が、京都の「いけず文化」の魅力を他府県の人に伝え、興味を持ってもらうきっかけになればと考えている。
関係者のコメント
ステッカーにモデルとして出演している大西常商店4代目女将の大西里枝氏は、「『いけずステッカー』がふるさと納税の返礼品として登録されたとのこと、おめでとうございます。自分の変顔がこれまで以上に世の中に広がることを思うと、色んな意味で夜も眠れません。言いたいことも言えないこの世の中を、飄々と渡っていくひとつの手段として他府県の皆様にもご活用いただければと思います。末筆ですが、仏のように深い慈愛をもってお許しくださった京都市の皆様に伏して御礼申し上げます」とコメントしている。
また、ステッカー制作に協力したみえっぱりな京都人bot氏は、「『いけずステッカー』が京都市のふるさと納税返礼品に選ばれ、京都市に還元できる機会を頂けた事を京都系インフルエンサーとして感謝する一方で、京都市さんの“心の広さ”に驚きを隠せずにいます。本ステッカーはそんな心の広さの上で京都の『優しさ』が人間味や変顔とタップダンスしてできたキメラです。製品化する『いけず』を考えた一人としてこの場を借りて深く謝罪すると共に、京都に少しでもプラスとなる事を祈ります」と語っている。
また、京都市ふるさと納税担当課長の二宮啓之氏は、「ふるさと納税制度においては『返礼品は地場産品に限る』と定義されて以来、全国の自治体がお肉やお米など色々な地場のモノや、旅行や体験などのコトの返礼品を開拓してきました。今回、京都市の返礼品として新たに登場する『いけずステッカー』。これは京都人の『いけず』という気質、地域の文化そのものを返礼品にするという新たな試みです。この稀有な試みが、ふるさと納税の可能性(楽しさ)を広げるものだとすれば、それはとても面白く意義深いことだと思っています。『いけずステッカー』が醸し出す『斜め上を行く楽しさ』を全国の皆様に感じとっていただけたら嬉しいですね」と話している。
配信: STRAIGHT PRESS