屋外の暑さ対策一覧! 災害時の対策まで解説


写真:PIXTA

今年の夏も猛暑が予想されます。熱中症を予防するために、特に屋外では暑さ対策をしっかりと心がけましょう。今回は、暑さ対策の基礎知識と、スポーツや作業時の注意点、災害時や停電のときにも役立つ暑さ対策グッズを紹介します。

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屋外の暑さがもたらす危険性

熱中症とは、夏の厳しい暑さなどの影響で私たちの体に備わっている体温調節機能が乱れ、体に熱がこもって体温が上昇した状態をいいます。

めまいや手足のしびれ、頭痛、吐き気などの症状があらわれ、重症になると意識がもうろうとして、命に関わることもあります。

子どもや高齢者は、体温調節の機能が低下しやすく、特に注意が必要です。

気温だけではない熱中症の原因

消防庁の統計データを見ると、熱中症で救急搬送された人の数は、気温が30℃を超えると増え始め、気温が高くなるにつれて増加しています(北海道では28℃くらいから搬送数が増えていきます)。

熱中症の原因となるのは、気温の高さだけではない点にも注意が必要です。湿度の高さや、日射の強さ、風の弱さといった環境も熱中症を引き起こす条件となるほか、体がまだ暑さに慣れていないときや、熱帯夜が続いて寝不足のとき、栄養が十分に取れていないときなども、体温調節機能が乱れやすく熱中症になりやすい状態です。

また、炎天下でのスポーツや屋外での作業は、体温が上昇し熱中症になりやすくなるため、注意が必要です。

暑さ指数(WBGT)で熱中症の危険度を知ろう

「暑さ指数(WBGT)」とは、気温だけでなく湿度と日射など周辺の熱環境も考慮して、熱中症の危険度をあらわした指数です。

環境省は、熱中症予防情報サイトで全国の暑さ指数の実況と予測を日々、公開しています。屋外でスポーツや体を動かす作業の予定があるときは、暑さ指数に基づいた日常生活や運動の目安を確認したうえで、暑さ対策を行うとよいでしょう。特に危険度が高い日には、運動や屋外での作業を中止する判断も求められます。

<日常生活に関する指針>

引用:環境省「熱中症予防情報サイト」

<運動に関する指針>


引用:環境省「熱中症予防情報サイト」

「熱中症特別警戒アラート」が出たときは?

2024年4月から、「熱中症特別警戒アラート」の運用がスタートしました。これは、熱中症の危険性が極めて高い日に発信される「熱中症警戒アラート」より、さらに1段階上の危険を呼びかけるもので、発信された都道府県の広範囲で過去に例のない危険な暑さとなり、熱中症による重大な被害が起こる恐れがあります。

熱中症警戒アラート、熱中症特別警戒アラートが発信されているときは、下記のような行動を取って、より一層、熱中症予防を心がけましょう。

・エアコンを使って適切に温度調節をしましょう

・外出はできるだけ控えましょう

・屋外や、エアコンのない屋内での運動は原則として中止/延期をしましょう

・高齢者や子どもなど、熱中症になりやすい人に声がけをして、水分摂取を促しましょう

屋外の暑さ対策

ここからは、具体的な屋外での暑さ対策と、役立つグッズを紹介していきます。

直射日光を避ける

同じ屋外でも、直射日光が当たるか当たらないかで体感温度は大きく変わります。目安として気温が30℃のとき、街なかではアスファルトの路面やコンクリートの建物からの放射熱で体感温度が40℃にのぼるのに対し、緑陰や日除けの下では、体感温度は34℃にとどまり、6℃も涼しく感じるとされています。

出典:環境省「まちなかの暑さ対策ガイドライン」

屋外ではできるだけ、直射日光の当たらない日陰で過ごす工夫をしましょう。外出時には、帽子や日傘があると役立ちます。アウトドアのレジャーではテントやタープなどを活用して、日陰を作るのもおすすめです。


引用:blozey「日傘 UVカット 」


引用:TOMOUNT「タープ 」

こまめな水分補給

水を飲むと汗をかくからイヤだからといって水分摂取を控えないようにしましょう。夏に汗をかくことは、体温調節のためにも大切です。ただし、たくさん汗をかくと体内の塩分濃度が低下して、軽い脱水を起こしていても、喉の渇きを感じにくくなることがあります。そのため水分補給はこまめに、喉が渇いたと感じる前に行うことが重要です。

1日に飲む量の目安は、食事以外で1日1.2リットル。時間ごとに飲むべき量のメモリが付いた「モチベーションボトル」などを利用し、定期的に水を飲むようにするのもおすすめです。


引用:Conburrod「1リットル 軽量 ウォーターボトル タイムマーカー付き 」

屋外で作業やスポーツをする際は、決められた休憩のタイミングだけでなく、いつでも水分をとることが大切です。ふたを開閉する手間がなく、体を動かしている最中でも使いやすいスポーツ用のボトルもあります。


引用:ナイキ「ビックマウスボトル 」

通気性のいい服装を

人間は、汗をかいて、皮膚から蒸発するときに熱を吸収する「気化熱」によって、体温が調節されます。しかし、通気性のよくない服を着ていると汗が乾きにくく、熱がこもってしまいます。また、風にあたると涼しく感じるのは、体の表面近くの温まった空気を動かしてくれるからです。夏は吸湿性・通気性のよい服装を心がけましょう。

木綿や麻も吸湿性・通気性のよい夏向きの素材ですが、近年はさらに機能性の高いポリエステル素材の肌着などが登場しています。


引用:ミズノ「ドライベクターエブリ 」

首・脇・足の付け根の冷却

軽・中度の熱中症になったときは、体温を速やかに下げるために太い血管のある首の付け根の両側・脇の下・鼠径部(太ももの付け根の前面)を水や氷で冷やすとよいとされています。

暑さ対策としてもこの部分の冷却が効果的ですが、脇の下や足の付け根は日常生活を送りながら冷却することが難しいため、市販されている冷却グッズは首を冷やすものが多くなっています。


引用:ベルモンド「首元ひんやり君 」

首専用の冷却グッズ以外にも、スポーツのアイシングに使う氷のうや、発熱時用の保冷枕、食品の購入時にもらう保冷剤、凍らせたペットボトル、水で濡らしたタオルなども利用できます。


引用:ミズノ「アイシングバッグ」 

塩分補給

大量に汗をかくと、水分とともに塩分が失われ、体調不良の原因となります。めまいや手足のしびれなど熱中症のサインを感じたときは、経口補水液などで水分とともに塩分をとることが重要です。

屋外でスポーツや作業をする際は、水分補給とあわせて塩タブレットなどをなめるとよいでしょう。スポーツドリンクは糖分が高いため、とりすぎに注意が必要です。


引用:カバヤ「塩分チャージタブレッツ」

日常生活では、味噌汁や梅昆布茶などで水分をとると同時に塩分を補うのもおすすめです。ただし、日本人はどちらかというと塩分をとりすぎの傾向があり、1日3食をしっかり食べていれば、必要な塩分はとれていると考えて大丈夫です。高血圧の方や高齢の方は、塩分のとり過ぎに注意しましょう。

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