[1]夏になると気になるムダ毛・・セルフケアより医療脱毛の方がいいの?脱毛方法のメリット・デメリットについて鶴町先生にお伺いしました。

[1]夏になると気になるムダ毛・・セルフケアより医療脱毛の方がいいの?脱毛方法のメリット・デメリットについて鶴町先生にお伺いしました。

夏になると特に気になるのがムダ毛の処理。

セルフケアは手間がかかる上、肌トラブルも心配・・・医療脱毛ってどういうもの?

今回はつくば・土浦鶴町皮膚科クリニック 副院長の鶴町宗大先生にレーザー脱毛やセルフケアのメリット・デメリットについてお話を伺いました。

レーザーで脱毛すれば、本当に永久に生えないの?

残念ながら、レーザーを用いる医療脱毛を行っても、全ての方が完全に永久的な無毛になるということはありません。

レーザーを用いる医療脱毛では、長期減毛の実現は可能ですが、時折減毛しにくい事や、毛が再び生えてくることもあります。

また、幾度も脱毛回数を重ねたとしても部位や毛質によっては脱毛効果が得られにくい事もあります。

なお、エステ脱毛と医療脱毛を比べると、使用できる機械に違いがあるため医療脱毛の方が効果が確実に高いことは知られています。

肌が弱くても医療脱毛はできる?

敏感肌などであっても脱毛前後でのスキンケアをしっかりとおこなっていただければ脱毛施術は可能です。

しかし、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患のコントロールが不良な場合、皮膚びらん(皮膚が剥けている状態)が有る部位、皮膚の感染症状が有る部位などに関しては脱毛施術が難しい場合もありますので、事前に脱毛する施設に確認すると良いでしょう。

色素沈着に関しては、医療脱毛に伴う熱傷治癒後に生じる可能性があります。

また、もともと色素が濃い部位(VIOや脇など)に関しては施術後により色の濃さが目立つ場合もあり得ます。

家でできるセルフの脱毛器とエステや医院のケアは違う?それぞれのメリットやデメリット

家庭用のセルフ脱毛機は、エステ脱毛で用いる光脱毛機と比べても、安全にするためにその出力が抑えられてあります。

そのため、脱毛効果を実感するまでには時間がかかることが多いです。

しかし、エステサロンやクリニックに通院すること自体に手間がかかるので、自宅で完結させたいと考え利用する方もいらっしゃいます。

自身の都合やスケジュールにあわせて選べば良いでしょう。

おすすめできる?それとも・・・プロから見たセルフケア

1:脱毛ワックス(ブラジリアンワックス)や脱毛テープ

脱毛ワックスとは、加温などによって柔らかくしたワックスやテープを脱毛したい部位に塗布し、ワックスをムダ毛とともにはがしとる方法の脱毛です。

脱毛ワックスを用いることのメリットは、使用した箇所が一度でツルツルになるため、急に脱毛をする必要がある際には用いられることがあります。

しかし、デメリットとしては、脱毛の持続期間は3週間程度であるということ、剥がす時の痛みがとても強く、肌にダメージを与えてしまうということです。

その結果、皮膚が赤くヒリヒリしてしまう事も多々見られます。

2:除毛クリーム(フォーム・ジェルなど)

脱毛クリームなどを脱毛した部位に塗布し、数分放置した後、洗い流す方法の脱毛です。

痛みが少ないこと、毛の断面がチクチクしないなどのメリットがあります。

除毛クリームは脱毛ワックスのように剥がすときの痛みはないですが、毛を溶かすためにタンパク質を溶かす成分が含まれるので、肌にもダメージを与え、肌荒れの原因となることがあります。

3:カミソリでの剃毛

ムダ毛をカミソリで剃るというのは、最もポピュラーなセルフケアだといえるでしょう。

自分でカミソリなどを用いて剃毛することのメリットは、とても簡便かつ安価であること、入浴時のついでなどに行いやすい点などがあげられます。

しかし、デメリットとしては、脱毛の持続する期間がとても短いので頻回に自己処理をおこなう必要があるということ、カミソリにより肌を傷つけてしまうリスクが高いということ、ニキビのような毛穴の炎症である毛包炎が生じやすいなどがあります。

いずれの方法も、著しいトラブルなどが起こらず自分の肌に合った、手軽なケアとしておこなう分には問題はありません。

しかし、医療脱毛であれば脱毛効果は持続し、長期の減毛も実現しやすく、肌へのダメージも比較的少ないのでおすすめです。

脱毛による肌トラブルにお悩みの方は、医療脱毛を検討してみてはいかがでしょうか?

レーザー脱毛をする前に気を付けてほしいこと

医療脱毛で使う脱毛レーザーは、黒い色に反応するため毛根組織だけでなく、皮膚のメラニン色素にも反応します。

つまり、真っ黒に日焼けした肌にもレーザーが反応してしまうのです。

そのため、過度な日焼けをした肌にレーザーを照射してしまうと火傷のリスクが高くなるので、場合によっては脱毛が受けられなくなる可能性があります。

そのため、施術前にはしっかり紫外線対策を行い、日焼けをしないようにしましょう。

特に外出をする際には、日焼け止めの使用はもちろん、帽子や衣類やアームカバー、UVカットサングラスなど物理的に紫外線をカットすることを意識しましょう。

また、脱毛後も脱毛前と同様に紫外線対策は重要ですので意識していただく必要があります。

なお、エステ脱毛を受ける際においても、医療脱毛と同様に日焼け対策は重要であると考えられます。

気になるムダ毛の処理。

自分で行うか、プロに頼むか悩んでしまいますね。

それぞれのメリット・デメリットを考慮して、自分に合ったケア方法を選びましょう。

[執筆者]

鶴町宗大先生

医療法人 鶴町会 理事

つくば・土浦鶴町皮膚科クリニック 副院長

[経歴]

獨協医科大学医学部卒業後、都内での初期研修を経て2018年4月に順天堂大学浦安病院 皮膚科教室に入局。

主に、アトピー性皮膚炎、乾癬、皮膚腫瘍などの一般皮膚科疾患などを診察し、皮膚科専門医を取得。

加えて、皮膚の加齢性変化に関して大学院にて研究をおこない医学博士を取得。

また、入局と同時期につくば・土浦鶴町皮膚科クリニックにて非常勤医師として勤務開始し、一般皮膚科のみならず、美容皮膚科診察も開始。

2023年4月よりにつくば・土浦鶴町皮膚科クリニックの副院長として常勤勤務を開始。

皮膚科・美容皮膚科を通じて、健康で美しい肌の実現を目指して、肌の悩みをトータルにサポートできるよう診療を行っている。

[保有資格・所属学会]

皮膚科専門医

医学博士

つくば・土浦鶴町皮膚科クリニック

https://tsurumachi.jp

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キレイ研究室
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「今よりもっと、これからもずっときれいでいるために。」をコンセプトに、化粧品開発、ヘルスケア、ネイリストなどさまざまなジャンルの専門家が、中立の立場から「キレイ」についてのコラムを発信しています。
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