2.事故やケガによる後天的な要因
生まれたあとに事故やケガによってしっぽが変形した場合も、かぎしっぽになることがあります。
ドアに挟まれたり高い場所からの落下、子猫のときに母猫にしっぽを踏まれたことなどが原因でしっぽが変形してしまうこともあります。
子猫のときにしっぽが変形した場合は、成長とともに骨が固まっていくので特に問題ないのですが、成猫になってからしっぽが変形してしまうと、さまざまな障害が出る可能性もありますので注意が必要です。
猫のしっぽは、付け根だけでなくしっぽの先端まで神経が通っており、骨が神経に障って痛がったり、場合によっては歩行困難や排便機能に問題が出る可能性も考えられます。
そのため、猫のしっぽを誤って踏んだり、ドアで挟む事故が起きないように十分注意しなければなりません。
日本で「かぎしっぽ」の猫が多い理由
身近な存在でもあるかぎしっぽの猫ですが、日本でかぎしっぽの猫が多いのには理由があるようです。
なかでも長崎県は特にかぎしっぽの猫が多いことで有名ですが、全体のおよそ8割がかぎしっぽの猫だと言われています。
江戸時代、長崎の出島は日本で唯一の海外との窓口として栄えていました。
オランダ東インド会社のアジア支店は、かぎしっぽ猫の原産地と考えられているインドネシアにあり、貿易の際、ネズミ対策としてかぎしっぽの猫も貿易船に乗って長崎へやってきたという説があります。
その猫たちがそのまま長崎に居付いた可能性が高いと考えられているようです。
そのほか、江戸時代の猫は長生きすると「猫又」という妖怪に化けて、人に害を及ぼすという都市伝説のような言い伝えがあったそうです。
猫又になるのは「長いしっぽを持った猫」で、その長いしっぽが2つに分かれて化けて出ると恐れられていたんだとか。
そのため、しっぽの長い猫よりも短い猫が重宝され、なるべくしっぽの短い猫を繁殖したことがきっかけとなり、その子孫が現代も日本で多く残っていると考えられています。
配信: ねこちゃんホンポ