恋人と食べた朝食や、コロナ禍のおうちご飯。幸せな出来事もほろ苦い経験も、そこに料理が加わると記憶に残る思い出になることは多いのではないだろうか。今回は峯鳥子(@minetoriko)さんがnoteとXで公開している家族と思い出の料理をテーマにした漫画「私の思い入れグルメ」をご紹介。峯さんにも漫画を描いたきっかけや、よく作っている料理などを聞いてみた。
■夫婦の思い出のメニューは、今は家族みんなで食べられる大切な料理に
付き合う前の夫がホワイトデーのお返しにくれた、ラベルまで手作りの生キャラメルや、イライラしたときに心を落ち着かせる水出しコーヒー。特別な一品から素朴な一杯まで、思い出のエピソードとともに描かれている「私の思い入れグルメ」。峯さんが漫画を描こうと思ったきっかけは何だったのだろうか。
「私は『孤独のグルメ』のような、おいしそうな料理が出てくるドラマが大好きなんです。見ていて幸せな気持ちになりますし、元気が出てきます。私も読んだ人がほっこりするおいしそうな料理が出てくる、そんな漫画が描けたら…と思ったのが創作のきっかけです。もともと家族の日常をエッセイ漫画にして発信していたので、そこに食を掛け合わせてみました」
「私の料理の先生は夫です」という峯さん。実は、結婚前は実家暮らしで料理はほとんどしなかったそうだ。結婚後、調味料の使い方などの料理の基本は旦那さんから教わったという。現在は旦那さんと2人の娘さんの4人で暮らす峯さんに、普段よく作る料理を聞いてみた。
「よく作るのは餃子です。私はニラが苦手なのですが、そんな私のために夫がしそを使った餃子のレシピを考えてくれて、結婚して初めての休日に2人で作った思い出の料理でもあります。次女の小麦アレルギーが発覚してからは米粉の皮でその餃子を作っています。『しそ餃子』は家族みんなで食べられる大事な料理のひとつです」
■義父から引き継いだ畑で育てる野菜。収穫したてのトウモロコシは絶品!!
漫画には個性的な峯さんの義父も登場する。でんぷんを研究する大学教授だった義父から毎日のように届く焼き芋のアレンジ料理を試すなど、困った経験もおいしく解決していく様子は参考にしたくなる。残念ながら一昨年亡くなってしまったそうだが、義父が大切にしていた畑は峯さん夫婦で引き継いでいるという。
「今育てている野菜は、ズッキーニ、ミニトマト、キュウリ、じゃがいも、トウモロコシです。収穫したてのトウモロコシの味は本当においしくて、魚焼きグリルで焼き、醤油を塗って食べる焼きトウモロコシは絶品です!去年作ってみて、最高でした!6月の終わりごろから収穫できる予定なので、今年も楽しみです」
ちなみに秋には、義父の家の渋柿を収穫するのが恒例行事で、夫婦で干し柿を作っているという峯さん。どちらが柿の皮を早くむけるか競争するなど、こちらも楽しみな行事なのだそう。
漫画とともに、noteではレシピも公開中だ。読者からは「おいしそう」や「今度やってみます」などの声が寄せられているが、峯さんは特に印象に残っている声があるという。
「noteだけでなく、Xにも『私の思い入れグルメ』をアップしているのですが、12話の『愛知の喫茶店風・鉄板焼きそば』を実際に作って画像をアップしてくださった方々がいて、『おいしかった』『腹持ちもいい』と感想をいただけて、とてもうれしかったです!料理漫画を描いてよかったなあと思いました」
次はいったいどんな料理が登場するのだろうか。想像するのも楽しみな峯さんの漫画。最後に今後の展望を聞いた。
「今後も『私の思い入れグルメ』では畑の野菜や季節の食材を使った簡単でシンプルなレシピに自分の想いや思い出をからめて、漫画にしていきたいと思っています。そして、次女にいろいろと食物アレルギーがあるので、彼女のために編み出した卵と小麦粉不使用のアレルギー対応レシピもいつか漫画にして発信していけたらと思っています」
「私の思い入れグルメ」はnoteとXで公開中。ぜひ一度読んでみてほしい。
取材・文=松原明子
配信: Walkerplus
関連記事: