登場人物から目が離せない!!読者は犯人を予想せよ!幼女失踪から10年…事件が動き出す!!【作者に聞く】

登場人物から目が離せない!!読者は犯人を予想せよ!幼女失踪から10年…事件が動き出す!!【作者に聞く】

ほんの少し母親が目を離したすきに忽然と消えてしまった少女。これは事件か事故か?少女は今も生きているのか、もし犯人がいるのなら誰なのか…!!

SNSで興味深い漫画の連載が始まったのは、昨年2023年の秋のこと。タイトルは「犯人を予想する漫画『仮門』」である。タイトル通り、犯人を予想しながら読み進めていくこの漫画は、読者を巻き込み、現在第3話まで進行中だ。

物語は、常見七海(4歳)が家の中に入ってきたテントウムシを逃がしてあげるために庭先へ出るシーンから始まる。そのとき電話の着信音が鳴り、母親はその場を離れてしまった。母親が戻ってきたときには七海の姿はなく、神隠しにでもあったかのように消えてしまっていた。そして事件は、何の進展もないまま10年の歳月が流れるのだった。

第1話では、不気味な行動を取る父親の姿が描かれ、第2話では母親の友人・杏美が登場する。実はあの事件のときに電話をかけてきたのは、杏美だった。何か隠しごとがあるような表情を浮かべる杏美の視線の先が描かれたとき、読者は疑念を抱く…!!

そして第3話では、七海の幼なじみである砂羽と圭樹に焦点が当てられる。2人は現在14歳になっており、第1話で七海の家にタイムカプセルを届けに登場したが、深く描かれるのは第3話になってから。七海のことが好きだった圭樹、両親に捨てられ親戚中をたらい回しにされている砂羽。この2人も事件に関与しているのか…?注意深く観察してほしい。幼女失踪事件から10年の歳月が流れた今になって、何かが動きだそうとしていた——。

本作を手がけているのは、鳩ヶ森(@hatogamori)さん。2023年2月に「第2回 朝日ホラーコミック大賞」の漫画部門で大賞を受賞した新進気鋭の漫画家の最新作である。鳩ヶ森さんに最新話並びに今後の展開について話を聞いてみた。

――第3話で描かれている砂羽と圭樹はどちらも14歳とは思えないほど大人びていますね。2人ともこの10年の間に“大人にならざるをえない”事情や背景があったのでしょうか?

砂羽のほうは“親に虐待され親戚に育てられた”という複雑な事情が背景にあります。圭樹のほうは“育ちのいい、いわゆるお坊ちゃん”ですが、2人とも複雑な現代を生きるうえで「ほどよく達観してしまった子ども」として描きました。

――砂羽・圭樹に限らず最近の子どもたちは、昔に比べて早く大人になっている印象がありますよね。

そうなんです。現代の中学生として描いています。とはいえ、もうちょっと中学生らしく描けばよかったと反省もしています。読者の方からも「子どもに見えない」とご指摘をいただいてしまいましたので…。

――聞いてはいけないと思いつつも、どうしても気になってしまうのでお尋ねします。ズバリ、結末は決まっていますか?

はい。連載スタート前の時点で、すでに結末まで構想は出来上がっています。あとは私が頑張って描いていくのみ!なので読者のみなさんも、じっくりと予想しながらお楽しみいただければと思います。一緒に遊んでくださいね!

――第3話のあとに「仮門」の番外編と銘打ってギャグテイストの話がSNSにあげられていました。ホラー漫画家のイメージが強い鳩ヶ森さんですが、実はギャグもお好きだったり…?

はい!ギャグを描くのは大好きです。時間があるかぎり永遠にギャグ漫画を描いていたいくらいです!!番外編を描いたのも「ギャグを描くのを我慢できなかった」というのが正直なところです。実はホラーやミステリーを描きながらも、すべてのコマにツッコミを入れたくてウズウズしながら描いています。

――えっ、そんなに…(笑)!?確かに鳩ヶ森さんのホラー漫画にはちょいちょいギャグ要素が顔を覗かせていますよね。

やっぱりバレちゃってました…?先日も、出版社の編集さんにシリアスで暗い漫画のネームを見てもらったのですが、我慢できずついギャグシーンを入れてしまっていて「このギャグシーンいらないので削除してもらっていいですか」と冷たく言われました。ですよね、と思いました。こんなにギャグ漫画が好きなのに、なぜ暗い雰囲気の漫画ばかり描くことになってるのか、自分で自分が不思議で意味不明です。

毎回、焦点を当てて描かれる登場人物が、この上なく怪しく見えてくる本作。現在第3話まで公開されているが、SNSではすでに「おぉ!?何だかすごい大作の予感がしますよ?」「引き込まれました。続きが楽しみ!」と盛り上がりを見せている。どの登場人物もどこか後ろ暗いものを抱えているようだが、犯人がいるなら一体誰なのか…?犯人を予想しつつ読み進めてみよう。続きが待ちきれない人は、鳩ヶ森さんのほかの作品を読むのもおすすめ。鳩ヶ森さんの作品には、日常のすぐ隣に潜む恐怖が描かれており、読み応え抜群!「呪いは効くのでしょうか」や「春の夜の友人」などの過去作を読み、静かな恐怖をお楽しみあれ。

取材協力:鳩ヶ森(@hatogamori)

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