3.子宮蓄膿症
「子宮蓄膿症」は猫では少ないといわれています。それは、猫が交尾後に排卵する生き物だから。つまり、人や犬のように交尾しなくても定期的に排卵する動物よりも、妊娠に必要な黄体ホルモンが妊娠していないのに出ることが少ないため、子宮蓄膿症にかかりにくいのです。
どういうことかというと…子宮蓄膿症は、子宮の中に細菌が入り込み膿を作るために起こる病気ですが、そこには妊娠に関わるホルモンが大きく影響しているのです。黄体ホルモンは妊娠できるように子宮内膜を厚くしたり、子宮頚部を緩めたり、免疫を低下させたりします。これらは受精や受精卵の着床が行われるために必要なことなのですが、妊娠しなかった場合には細菌に感染しやすくなるというデメリットになるのです。
排卵はしたけれども妊娠しなかった場合、黄体ホルモンの作用によって子宮の内膜が厚い状態が続き、「子宮内膜炎」や「子宮内膜過形成」となります。この状態は細菌が増殖しやすい環境であることから、「子宮蓄膿症」になってしまうことがあるのです。子宮蓄膿症になると、膿が陰部から出てくる場合も出てこない場合もあります。
膿が出てくる場合、猫の陰部と肛門は近いため、肛門から何か出てきたのかと見間違えてしまいがちです。また、出血と勘違いしてしまう場合もあるでしょう。また、病気がかなり進まないと飼い主さんが気付ける症状が現れないこともあります。
4.腸の異常(下痢)
腸に異常が起こると、下痢になることがあります。下痢の時は肛門周りの皮膚や毛が汚れることもあり、水っぽい下痢だと何か液体がついているように見えることもあるでしょう。便そのものではなく、粘液がついていることもあるかもしれません。大腸に異常があると、便の表面に白いゼリーのような粘液が付いている、「粘液便」という便が出やすくなります。
便に異常があったらそれを持参したり写真を撮って動物病院を受診してください。
配信: ねこちゃんホンポ