SNSに漫画やイラストを投稿しているにゃっつ(@Nyattsu_715)さん。聴覚には異常がないのに、うまく聞き取れない「聴覚情報処理障害(APD)」のため、よく聞き間違いをしてしまうとか。その体験を、ちょっと笑える4コマ漫画にして制作している。たとえば…。
ある日にゃっつさんが、友人と映画のポスターを見ていたところ、友人が「あの俳優さんだったんだ。服部わかんなかった!」と一言。
俳優も、友人の名前も服部じゃない。半蔵?平次?どこの服部さんだろう。果たしてどんな意味なのか…。
■聞き間違いを漫画にしたらおもしろいのでは?
これはにゃっつさんの聞き間違いで、本当は「パッと見わかんなかった!」だった。にゃっつさんによると「思い当たる『服部さん』がいなかったので、聞き返したら聞き間違えでした。ただ、聞き返せないときは正解がわからずに、ずっとモヤモヤするときもあります」
このような漫画を描き始めたきっかけは、「おかしな聞き間違いに自分でも思わずクスッと笑ってしまうことがあって『漫画にしたらおもしろいのでは?』と思ったんです。また、聴覚情報処理障害のことをもっと知ってもらいたいという想いもありました」
にゃっつさんご本人も、聴覚情報処理障害のことを知ったのは比較的最近(2020年)だったそう。それまでも、誰かが誰かを呼んでいるときに「さん」や「ちゃん」しか聞こえず、自分が呼ばれたと思い返事をしてしまったり、大人数の飲み会などではさまざまな会話が混ざって聞こえるため、どの会話にもうまく入れなかったりしていた。
「自分の困りごとについて調べていて、HSPや内向型や発達障害グレーゾーンなどにたどり着き、その過程で知りました。詳しく調べて行くと共感の嵐で『ああ、これだったのか!』と」。連絡を取るときは、聞き取りにくい電話ではなくメールなどの使用を多めに。聞き取れていても大事そうなことは聞き返す、可能ならば場所やタイミングをずらして話す、などの工夫をしていると教えてくれた。
反響については、「『あるあるです!』と共感してくれたり、私の漫画をきっかけに聴覚情報処理障害を知ったという方もいらっしゃいました」。何をどう聞き間違えたのか、クイズのように推測して読んでくれる読者もいるそうだ。
取材・文=折笠隆
配信: Walkerplus
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