“推し活”を応援するトレンドメディア「Fandomplus」では、編集部が衝撃を受けた“推しガンプラ”を連載で紹介していく。本稿では「MGザクキャノン 旧キット箱絵風」を製作し、SNSに投稿しているモデラー・ニコボルさん(@nicovol48)にインタビューを実施。製作にいたる経緯や、製作過程でもっとも苦労したポイント、この作品を通じて学んだことなどを振り返ってもらった。
■地面や岩に加え、背景も自作。イラスト風模型へのこだわり
――作品を製作する際、着想のきっかけは?
【ニコボル】普段からイラスト風の塗装や明暗が強めの塗装が好みで、製作の参考にするためにガンダムや他のロボットの画集などをよく見るのですが、そのなかでも「ガンプラ・パッケージアートコレクション」のMSV・ボックスアートの数々が本当にかっこよくて、大好きなんです。MGザクキャノンのキットがカラー違いで再販されたことをきっかけに、上田信先生の旧キット1/100のパッケージアートをお手本とした箱絵風の塗装に挑戦してみました。
――製作過程でもっとも難しかった部分を教えてください。
【ニコボル】キット本体と旧キットのボックスアートはプロポーションなどが違うので、細部をお手本に近づけつつ、ディテールを取捨選択するなどして、違和感のない仕上がりにするのに苦労しました。また、飾った状態で箱絵風に見えるヴィネットのようなものを作りたかったため、ガンプラだけでなく地面や岩も製作して、背景は絵を描きました。特に絵は、心得や経験がほとんどなかったのでとても苦労しましたね。絵を描かれる方のYouTubeを見たり、書籍を読んだりしながら、一から勉強して。何度も描き直しをすることで、なんとかお見せできるものに仕上げられたんじゃないかな……という感覚です。
――本作を製作するにあたって、もっとも楽しかった部分は何でしたか?
【ニコボル】イラスト風模型の製作では、ハイライトや塗装傷を入れる段階になると印象がグッと変わる……といいますか。完成形が見えてきて、一気にかっこよくなる瞬間があるんです。その瞬間が本当に好きで、こちらの作品を作っているときも一気にテンションが上がりました。
――「MGザクキャノン 旧キット箱絵風」で特に気に入っているポイントはどこですか?
【ニコボル】何度も塗り直した目の反射や、全身の光沢の表現ですね。それと、想定していた以上にイラスト感が出てくれた地面の色味や質感も気に入っています。
――この作品を通してモデリングにおける新しい発見や学びはありましたか?
【ニコボル】お手本となるボックスアートを何度も見ながら、それに近づこうと試行錯誤するなかで、自分の発想にはないハイライト色や影の入れ方を思いつけたのは大きいですね。本当に勉強になりました。これらの経験は、また新しくイラスト風の作品を製作する際に活かしていきたいと思っています。
取材・文=ソムタム田井
(C)創通・サンライズ
配信: Walkerplus
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