パーツとパーツをつなぐプラモデルのように、プラモデルとファンの皆さん、プラモデルと世界(=プラネット)をつなぐアイドルとして、多方面で活躍中のLINKL PLANET(リンクルプラネット。以下、リンプラ)。
そんなリンプラと、その活動方針に共感したロックバンド・かりゆし58のギタリスト、新屋行裕さんによるコラボレーションが決定!“ものづくりと人のつながり”をテーマとした新屋さんプロデュースの新楽曲「僕と君が誰かの生まれ変わりだとしても」が、2024年7月21日(日)より、各種音楽サービスで配信されることになった。
これを記念して、じつは大のガンプラファンでもある新屋さんとリンプラのメンバー・荒井芽依さん、天川れみさんによる鼎談形式のインタビューを実施。制作時の裏話から曲に込めた想い、さらにはガンプラに関する思い出まで、さまざまなエピソードを話してもらった。
■小学生の頃から聴いていた“かりゆし58”とのコラボが実現
――このたびの楽曲提供が決まる以前から、お互いに面識はあったのでしょうか?
【新屋行裕】完全に「はじめまして」でしたね。若い方たちと交流する機会はめったにないので新鮮な感覚です。
【天川れみ】かりゆし58さんは、子どもの頃から知っていためちゃくちゃ有名なバンドなので、初めてお会いしたときは「本物だ……」となって。ご挨拶もそこそこに固まってしまいました。
【新屋行裕】初めてお会いしたのは、「HYPER PLAMO Fes.2024(ハイパープラモフェス2024)」(2024年3月22日~24日、幕張メッセで開催)というイベントのときですね。
【荒井芽依】著名なアーティストの方たちが大勢参加されていたイベントなんですけど、そのステージにリンプラのメンバーがちょくちょく乱入して。そこでご挨拶をさせていただいたんです。
【天川れみ】挨拶もそこそこに、「ガンプラお好きなんですよね」みたいなお話をさせていただいて。一方的にしゃべり続けてしまって、あのときは失礼しました(汗)。
――新屋さんはリンプラメンバーと初めてお会いになられて、どう思われました?
【新屋行裕】こんなにキラキラしている人たちが歌う曲を作ることになるんだ。どうしよう……という感覚でした(苦笑)。軽くお話をしたあと、「いっしょに写真を撮りましょう」となったんですけど、そのときもただただ恐縮してしまって。「40代のおじさんがスミマセン……」みたいな感じでしたね。20年近くバンドを続けてきて、かなり変わった人たちとも交流してきましたが、それとはまったく異質の眩しすぎる方たちだったので、こうして曲づくりをご一緒できて、本当にいい経験をさせていただきました。
――ちなみに今回のコラボは、どういった経緯で実現することになったのでしょう?
【新屋行裕】まず最初に「こういった企画があるんですけど、いかがでしょう?」というお話をいただきまして。僕自身、もともとガンダムやプラモデルが大好きだったし、アニソン(アニメソング)やアイドルの楽曲にも興味があったので、新しい挑戦といいますか。ここで得た経験は今後の活動においてもきっとプラスになると思い、二つ返事で引き受けさせていただきました。
――リンプラのお二人はコラボが決まったとき、どう思われました?
【天川れみ】めちゃくちゃうれしかったです。私自身が沖縄県出身ということもありますが、かりゆし58さんの曲は子どもの頃からずっと聴いていて。それこそ、小学校の給食の時間にはいつも流れていて、私と同年代で知らない子はいないくらい、ものすごく有名な方たちなので、こうしてご一緒させていただいたことを、学校の先生や同級生にも報告してまわりたいです!
【荒井芽依】私もかりゆし58さんの曲は、リンプラ加入前から聴かせていただいていたので、楽曲提供のお話をうかがってから、毎日ドキドキしていました。そうして作っていただいた曲がまさかのバラードだったので、ちょっと意外でしたが、これまでにないリンプラの魅力をお見せできるチャンスでもあるな……と思って。レコーディングを終えるまでは、びっくり、うれしい、幸せ、といった感情が入り混じった不思議な感覚でした。
■“人とのつながり”がテーマの新楽曲、制作の裏側を深掘り
――新楽曲「僕と君が誰かの生まれ変わりだとしても」についてお聞きします。こちらの曲に込められたテーマ、コンセプトを教えていただけますか?
【新屋行裕】最初に「人と人のつながり」や「モノづくりで人をつなぐ」という、大まかなテーマを打ち出して。それに沿って細部を作り込んでいったり、プラモデルにかけたフレーズを入れるなど、いろいろ試させていただきました。でも、リンプラさんの曲を聴かせてもらうと、すでにいい感じにプラモデルの要素を取り入れた曲がいっぱいあって。中途半端な知識量では、とても太刀打ちできないな……と思い知ることになりました。
――たしかに、プラモデル好きの人が聴いても響く曲に仕上げるには、相当な知識が必要になりそうですね。
【新屋行裕】そこで発想の転換といいますか、無理にプラモ要素を入れるのではなく、かりゆし58として大事にしてきた“人とのつながり”に対する思いを込めたらいいんじゃないか?と考えるようになって。試行錯誤の末、こちらの形に落ち着いた次第です。
――お二人は「僕と君が~」を歌ううえで、これまでの楽曲とはアプローチの仕方に変化をつけるなど、何か“違い”は意識されましたか?
【荒井芽依】これまではプラモデル主体の曲が多くて、“プラモが大好きな自分”をイメージしながら歌っていたんですけど、今回は“人とのつながり”がメインテーマなので、聴いてくださる皆さんに気持ちを届けることを強く意識しました。ですので、今までよりもやさしく、明るい歌い方になっていると思います。
【天川れみ】上京してすぐのタイミングで聴かせていただいた……ということもあって、フレーズの一つひとつが心に染みました。地元を離れて寂しい気持ちになっていたんですけど、「遠く離れていても家族や友達とはずっとつながっている」、「大勢の方に応援してもらって、支えられている」ということを改めて思い出させてくれた曲なので、私と同じように聴いてくださる方の心も動かせるよう、気持ちを込めて歌っています。
■リンプラから新屋さんへオススメのガンプラを紹介
――新屋さんはプラモデルを制作されたことはありますか?
【新屋行裕】小学生のころはよく作っていましたね。うちは4人兄妹なんですけど、祖母がおもちゃ屋で、それぞれに一つずつ、好きなプラモデルを買ってくれるんですよ。当時はまだ、リアルなタイプのガンプラは難しかったので、SDガンダムのシリーズを買ってもらっていました。そこからだんだん、難しめのガンプラ製作にも挑戦するようになったのですが、中学に上がってからは触れる機会が減ってしまい……。しばらく疎遠になっていましたが、最近はまた作るようになりました。この前、ガンダム・エアリアルを作ったんですけど、いまのガンプラはクオリティがすごいですね。「こんなに進化しているんだ!」と驚かされました。
ーーお二人から新屋さんにオススメしたいガンプラはありますか?
【天川れみ】ビジュアル的にオススメしたいのはウイングガンダムです。とにかくシルエットがかっこよくて、個人的にも、初めてウェザリング(汚し塗装)に挑戦した思い入れのあるガンプラなので、ぜひ新屋さんにも好きになっていただきたいです。でも、最初からジオラマと組み合わせて作りたい……ということでしたら、アレンジの幅が広いザクIIから始めてみるのもいいですね。
【新屋行裕】18歳でザクIIの魅力を語れるのはすごいですね。
【荒井芽依】ひさしぶりにガンプラを作られた……とのことなので、その勢いでRGシリーズにも挑戦していただきたいです。こちらは外装だけでなく、中身のフレームも組み立てられるタイプなので、より深く、ガンプラの魅力を体感していただけると思います。デカールを貼る作業も楽しいですよ。
――今回のコラボをきっかけに、新屋さんにもガンプラの魅力にハマっていただきたいですね。ちなみにいま現在、ガンプラ製作以外にも積極的に取り組まれていることはありますか?
【新屋行裕】筋トレですね。コロナ禍の期間、音楽活動ができなかったときにだらけてしまい、体重がかなり増えてしまって。ライブを再開した際、体がめちゃくちゃ重かったので、「これはいかん」と思い、運動をするようになりました。
――今はコロナ前の体型に戻られた感じですか?
【新屋】そうですね。僕たちの場合は音楽ですが、人に何かを届けようとするなら、まずは自分自身を奮い立たせて、万全の状態にしてからでないと何も伝えられないと思っていて。実際に体を鍛え始めてから、今まで以上に声が出るようになったし、動きも軽やかになったので、全部、音楽活動に還元できていますね。自分を変えたい人に筋トレはオススメですよ。
取材・文=ソムタム田井
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配信: Walkerplus
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