2018年に厚生労働省が発表した『医師・歯科医師・薬剤師統計の概況調査』によると、8割以上の歯科医師が診療所で働いていることがわかります。
また、そのうち半数以上は勤務医ではなく開業医だということです。
独立開業の魅力
歯科医師が独立開業を目指す理由として考えられることは、まず自分の理想の治療が追求できることです。
勤務医の場合は、勤務先の方針に従わなければなりませんが、開業医となれば自身の理念の元に診療が進められます。またそれに合わせた空間が作れることも魅力のひとつです。
さらに大きな理由としては、収入に上限がないことが挙げられます。
勤務医の場合、固定給と歩合制があります。歩合制であれば自分の働きに応じて収入増は見込めますが、限界があります。しかし、独立開業すればすべてが自分の売上となり、上限がありません。自費診療を積極的に行えば、収入も増えます。保険診療と自費診療とのバランスを考えることが重要ですが、やり方次第で収入アップが期待できます。
独立開業の課題と事業承継
独立開業にあたっては、多額の開業資金が必要です。
また、開業当初は、集患について考えなければなりません。そのほか、スタッフを集めて教育することに苦労する歯科医師も少なくありません。
これらの問題を解決するには、事業継承という形で開業する方法が考えられます。
事業承継とは、自分以外の誰かが運営していた歯科医院事業を受け継ぐことです。親族からの事業承継と、第三者からの事業継承があります。
親族からの継承の場合、無償で譲渡するケースが多いことが特徴です。継承の仕方に応じて、贈与税や相続税が発生します。第三者からの承継では、歯科医院の経営を通じて知り合った歯科医師や、従業員である勤務医などに受け継がれるケースが多くなっています。
いずれの場合も、すでに歯科医院があることから、独立開業時にあたっての負担が軽減されます。歯科医院を建てる土地探しから設備投資、採用活動、営業といった手間が省けます。
配信: 医科歯科健診コラム